2018 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of changes of microbiota, which sustain intensities of indigo-reduction in indigo fermentation
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16K07684
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
湯本 勲 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究部門付 (30358303)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自然発酵 / 次世代シークエンサー解析 / 微生物叢 / インジゴ還元微生物 / 好アルカリ性微生物 / 嫌気性微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
藍染の発酵はスクモという蓼藍を堆肥化させたものを発酵原料として用いている。スクモは後段のインジゴを還元させる発酵過程の種菌としての機能をもつものと考えられるが、スクモと発酵液の微生物叢の関係を示す明確な情報は今のところ得られていない。また、種微生物叢の構成と発酵の微生物叢の初期の変化は、その後の発酵の進展に非常に重要である。そこで、藍発酵液におけるインジゴ還元細菌の起源を明らかにし、藍の発酵液においてインジゴの還元の開始に付随して起こる微生物叢の最初の変化の詳細を理解するために、我々は微生物叢の初期の変化を分析した。既に報告されているインジゴの還元細菌属Alkalibacterium、AmphibacillusとPolygonibacillus/Bacillusはそれぞれ、5日目に24%、7日目に15%、そして4.5ヵ月に48%までそれぞれ最大に増加した。それぞれスクモ(日本藍を堆肥にした発酵原料)において、これらの分類群の相対的な量は0.05%、0.13%と0.02%であり、藍発酵液中のインジゴ還元細菌はスクモ由来であることが示された。発酵初期段階に2つの顕著な微生物叢移行の変化が観察された。発酵の最初の変化は、発酵開始の後、スクモの段階から2日目までで観察された。このタイミングは当段階で起こる急激な環境の変化に起因しているかもしれない。それは固体(スクモ)から液体(発酵液)とアルカリ性で高温の灰汁(pH 10.5以上、温度60℃)の導入に起因するpHと温度の急激な変化である。2回目の目立った変化は7日目までの5日目から起こり、インジゴの還元の開始を伴った。この色素還元の変化は、偏性嫌気性菌Anaerobrancaや酸素耐性嫌気性細菌Amphibacillusの増加そして、バシラス科の顕著な減少が続く5日目までの好気性細菌による酸素の消費に因る可能性が考えられる。
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