2018 Fiscal Year Annual Research Report
A novel choline-O-acetyltransferase from plant
Project/Area Number |
16K07704
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Research Institution | Suntory Foundation for Life Sciences |
Principal Investigator |
村田 純 公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・統合生体分子機能研究部, 主席研究員 (90500794)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アセチルコリン / イラクサ |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景・目的】アセチルコリン(ACh)は、1914年にイギリスのヘンリー・デール卿らによって、いわゆる神経伝達物質の最初の例として見いだされた。その後、動物神経組織におけるAChの生合成、分解、受容、輸送等の分子機構の詳細が明らかにされてきた。一方、動物の非神経系の組織細胞ばかりか微生物、植物からもAChが検出されることから、近年ではAChは神経伝達以外にも様々な生理機能を持つと想定されるようになった。植物の場合、AChは根毛伸長や重力屈性等へ関与する可能性が、薬理学的実験により示されている。しかし、動物で高度に保存されているACh合成酵素遺伝子の相同遺伝子が植物には全く見当たらない。そこで植物のACh合成酵素遺伝子を同定し、植物自身がAChを生合成するかどうか確定的な証拠を得ることを目的とした。
【結果・考察】演者らは、植物では比較的高濃度のAChを蓄積するイラクサ(Urtica thunbergiana)を材料に、actyl-CoAおよびcholineを基質に用いて、酵素活性を指標にACh合成酵素の精製を進めた。活性画分において、ACh合成活性の消長と呼応して増減するタンパク質をtrypsinにてゲル内消化し、LC-Orbitrap-MSを用いたペプチドMSフィンガープリント法にてペプチド配列を決定した。縮重プライマーを用いたPCRにより全長cDNAをクローニングした結果、動物のACh合成酵素と異なる新規なアシル基転移酵素ファミリーに属するタンパク質であることが判明した。
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Research Products
(1 results)