2016 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質の糖鎖修飾がユビキチン化のシグナルとなる機構の解明
Project/Area Number |
16K07705
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
吉田 雪子 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 主席研究員 (90271543)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ユビキチン / ユビキチンリガーゼ / F-boxタンパク質 / オートファジー / リソソーム / 細胞品質管理 / 糖タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体などの分泌経路のオルガネラや細胞外に存在する糖タンパク質糖鎖が、細胞質に存在する3つのF-boxタンパク質に認識されるか、その新たなメカニズムの解明を目的とし、研究を進めている。今回、ミリストイル化により細胞内膜に結合する糖鎖認識F-boxタンパク質FBXO27が、糖鎖結合能と膜結合能依存的に、損傷を受けたリソソームに素早く移行することを見いだした。FBXO27によりユビキチン化するタンパク質を同定したところ、LAMP1,LAMP2という主要リソソーム構成糖タンパク質であった。FBXO27によるこれらの糖タンパク質のユビキチン化はオートファジーを誘導し、損傷リソソームを回復される「リソファジー」という生体防御機構に関わることも明らかとした。リソソームの損傷は細胞に対し毒性を示し、オートファジーがその修復を担うことは報告されていたが、何がその損傷を認知し、どのようにオートファジーが誘導されるのか詳細なメカニズムは知られていなかった。本研究により、リソソーム内の糖タンパク質の細胞質への露出がシグナルとなりそのユビキチン化がリソファジーの開始に関わることを提唱する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機能未知であった糖鎖認識F-boxタンパク質の解析を行うことで新たな細胞品質管理機構に関わることを明らかとすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
FBXO27の発現は限られた細胞にのみ見られ、また発現臓器も非常に限局されている。特に脳と胎盤に発現が見られるため、そこで行われている機能を解析するためにノックアウトマウスを用いた解析を行う。また、FBXO2とFBXO6の複合体形成機構に関しても研究を進める。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] A comprehensive analysis of SCF complex formation of human F-box proteins.2016
Author(s)
Yoshida, Y., Murakami, A., Kawawaki, J., Saeki, Y, Matsuda, N., Tanaka, K.
Organizer
Cold Spring Harbor Asia conference ‘Ubiquitin family, Autophagy &Diseases’
Place of Presentation
蘇州(中国)
Year and Date
2016-04-04
Int'l Joint Research