2016 Fiscal Year Research-status Report
多機能性乳タンパク質の生理活性発現機構の解明とその応用に関する研究
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16K07745
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
川上 浩 共立女子大学, 家政学部, 教授 (90458860)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アフィニティー精製 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳中の塩基性糖タンパク質であるラクトフェリン(以下、LFと略す)の多様な生理作用が、LFと特異的に結合している微量成分(LF結合成分)に起因するという仮説をもとにして、LFのさまざまな生理作用の活性本体を明らかにし、医薬品あるいは機能性食品等の有効成分として活用することを目的に研究を進めた。プロテオーム解析で構造決定したLF結合成分の中で、分離精製時に起こる構造変化によって、生理活性を維持した状態で単離することができない成分を、生物学的親和性をもとにしたアフィニティー精製で分離した。生体成分精製装置AKTAexplorer10Sを用いて、抗LFモノクローナル抗体を固定化した不溶性担体Affi-gel10にLF溶液を通液し、主要成分であるLFを担体に吸着させ、イオン強度等を変えた溶液で担体を洗浄し、素通り画分および洗浄画分を回収した。さらに、各ターゲット成分に対する市販抗体を固定化した不溶性担体に通液し、pH変化等で溶出操作を行い、ターゲット成分を単離精製した。その結果、複数のサイトカイン類および増殖因子類が単離できたが、酵素類の精製に関しては抗体だけではなく基質を組み合わせたアフィニティー精製が必要であると思われた。低分子ペプチド類に関しては、高速液体クロマトグラフィーでの精製を進めた。すなわち、新たな設備として導入した送液ユニットLC-20ADを用いて、逆相ペプチドカラムXSelectPeptide CSH C18で複数のペプチド画分を単離精製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
市販抗体が入手できない成分に関しては、抗体アフィニティークロマトグラフィーではない他の手段の検討が必要であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
抗体を保有している研究機関から、市販されていない抗体の提供が可能かどうかの問合せを進め、共同研究も視野に入れて検討する。
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Causes of Carryover |
購入予定であった装置が、キャンペーン価格により当初の計画よりも安価に購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の物品費として有効活用する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Lactoferrin Suppresses Neutrophil Extracellular Traps Release in Inflammation2016
Author(s)
Koshu Okubo, Mako Kamiya, Yasuteru Urano, Hiroshi Nishi, Jan M. Herter, Tanya Mayadas, Daigoro Hirohama, Kazuo Suzuki, Hiroshi Kawakami, Mototsugu Tanaka, Miho Kurosawa, Shinji Kagaya, Keiichi Hishikawa, Masaomi Nangaku, Toshiro Fujita, Matsuhiko Hayashi, Junichi Hirahashi
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Journal Title
EBioMedicine
Volume: 10
Pages: 204-215
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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