2020 Fiscal Year Annual Research Report
Biological activities of multifunctional protein in milk and their applications
Project/Area Number |
16K07745
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
川上 浩 共立女子大学, 家政学部, 教授 (90458860)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 食品機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
多機能性乳タンパク質として知られるラクトフェリン(LF)の抗炎症作用を検証する目的で、RAG2KO/OVA23-3マウスとBALB/cマウスを交配させたRAG2KO/OVA23-3×BALBマウスの脾臓細胞を用いたin vitro実験を行った。市販LF、抗LFモノクローナル抗体固定化カラムで市販LFから精製した高純度LF、抗LFモノクローナル抗体固定化カラムの非吸着画分をHPLCでさらに分画したタンパク質および高分子ペプチドを試料とした。RPMI1640培地で調製したマウス脾臓細胞の培養液に試料を添加した後、オボアルブミン(OVA)で抗原刺激して24時間培養した。培養上清中のサイトカイン(IL-4およびIFN-γ)産生量をELISA法で測定した結果、市販LFおよび高純度LFの添加で、脾臓細胞によるIL-4産生が有意に(p<0.05)抑制された。一方、IFN-γ産生量には有意な変化はみられなかった。抗LFモノクローナル抗体固定化カラム非吸着画分に含まれるタンパク質の中には、IL-4産生量を有意に促進する試料がみられたが、高分子ペプチドにはIL-4産生量に有意な変化を及ぼすものはなかった。そこで、IL-4産生抑制作用が確認された高純度LFを、RAG2KO/OVA23-3マウスに経口投与するin vivo試験を実施した。カゼイン飼料を用いたOVA非摂取群、卵白飼料によるOVA摂取群、およびOVAを摂取させながら高純度LFを経口投与する群の3群で試験を行った。マウスから摘出した脾臓の細胞培養液にOVAを添加して24時間培養した後、培養液中のIL-4産生量をELISA法で測定した。その結果、OVA摂取群ではIL-4産生量が有意に増加したが、OVA摂取とともに高純度LFを経口投与した群では、IL-4産生量が低下した。したがって、市販LFの抗炎症作用はLF自体に存在することが確認できた。
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Research Products
(2 results)