2016 Fiscal Year Research-status Report
高品質化と高効率化を実現する革新的粉末食品製造法の開発:イオン化空気の利用
Project/Area Number |
16K07761
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
五月女 格 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門 食品加工流通研究領域, 上級研究員 (90469833)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 粉末食品 / 流動層造粒 / 静電気 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では粉末食品の高品質化とその製造プロセスの効率化を目的として、流動層造粒におけるバインダおよび粉末原料の帯電が、造粒プロセスに及ぼす影響について解明する。粉末食品は微粉末の状態では使用時に湯や水に溶解する際にランピング(ダマ)を生じやすいため、溶解性を高めるため多くの場合、造粒操作により顆粒状に調製されるが、粉末食品の高品質化と製造コスト削減のため、バインダ添加量(加水量)の低減が課題となっている。本研究では、誘電分極により帯電した液滴と、イオナイザなどにより帯電させた粉末の粒子間に働く静電気力を利用することにより、効率的にバインダ液滴を粒子に付着させることで、加水量を低減した造粒プロセスの構築を目指す。 本年度は流動層装置内部にて、粉末に電荷を与える方法について検討した。アクリル樹脂製の流動層造粒容器内面の一部に金属箔を張り、電圧を印加しながら粉末を流動させる方法、および造粒容器底面に針型電極を設置し、電圧を印加しながら粉末を流動させる方法について検討した。 アクリル樹脂製容器と粉末の摩擦などによる帯電では、粉末が持つ電荷は平均で約-4.0 uC/kgであったが、上記のいずれの方法においても粉末の電荷は約-50 ~ -150 uC/kgとなったが、粉末の帯電量は時間変動が大きく不安定であった。また、バインダ液滴と粉末を逆極性に帯電させた場合、バインダ添加量に対する顆粒平均粒子径は電圧を印加しない通常プロセスと比較して大きくなっており、また同時に顆粒含水率も通常のプロセスと比較して増加したことから、バインダ液滴と粉末の結着が促進されたと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究計画にしたがい、粉末に電荷を与えるための改造を流動層造粒装置に施し、電極への印加電圧などの条件が粉末の帯電量に及ぼす影響について解明した。また粉末への電荷の付与が流動層造粒プロセスに与える影響についても調査を進め、平成28年度研究計画についておおむね実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究計画どおり、平成28年度に引き続き粉末およびバインダ液滴の帯電が流動層造粒プロセスに及ぼす影響について解明を進める。また粉末およびバインダ液滴の電荷バランスが顆粒の成長プロセスに与える影響について調査するための試験装置の作成に着手する。
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Causes of Carryover |
研究遂行に使用する物品を調達する際に、見積競争入札などにより予定していた金額よりも安価に物品が調達できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初研究計画より試験反復回数などを増やし、その為に必要となる研究材料の調達費用に充当する。
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