2018 Fiscal Year Annual Research Report
Novel Ethylene Destruction System Using Water-Electrolytic Device
Project/Area Number |
16K07763
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Research Institution | Fukuoka Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
木村 太郎 福岡県工業技術センター, 化学繊維研究所, 専門研究員 (40416491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦川 稔寛 福岡県工業技術センター, 化学繊維研究所, 専門研究員 (70416527)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エチレン / 電解質膜 / ヒドロキシラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
青果物の流通過程において、成熟ホルモンであるエチレンを随時除去することは鮮度保持の観点から重要な課題である。本研究では、新たに発案した「電解素子によるエチレン分解技術」を用いて、低コストかつ高効率なエチレン分解システムを開発することを目的としている。今年度は2年間で最適化した「電解素子」を用いて実際の青果物の鮮度保持に及ぼす効果について検証を行った。はじめに小スケールチャンバー内でのリンゴ/柿混載実験を行った後、大規模実証を行った。 (1)鮮度保持実証実験 実際に青果物を用い鮮度保持実証実験を行った。エチレン放出性果実であるリンゴとエチレン感受性の高い柿を同一チャンバー内に入れて、模擬的な混載状態とした。「電解素子」を稼働させチャンバー内のエチレン濃度、柿の成熟進行の様子を観察し、「電解素子」の効果を確認した。その結果、電解素子の種類によってその効果は大きく異なることが明らかとなった。優れた成績を残した「電解素子」では、チャンバー内のエチレン濃度を数ppm以下に抑制し、柿の色味変化も有意に抑制される効果が認められた。これに対し、別の「電解素子」ではエチレンの分解効果が非常に少なく、柿の成熟も進行してしまう現象が確認された。このような成熟抑制効果の違いは、「電解素子」の作成方法の違いによる水電気分解効率やヒドロキシルラジカル発生量の大小に関連することが明らかとなった。 (2)模擬コンテナ実証実験 実際の貯蔵庫を用いて柿/リンゴ保存試験を行った。貯蔵庫の温度や貯蔵条件を変えて柿を貯蔵し、「電解素子」の効果を検証した。その結果、「電解素子」によりエチレンの分解効果が観察された。また、エチレン分解効率は庫内温度により変動することも明らかとなった。また、柿の鮮度に与える要因としては、低温領域では庫内温度が支配的であるのに対し、常温付近ではエチレンの除去効果が顕著であることを見出した。
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Research Products
(4 results)