2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Present Situation and Possibility of Survival of Very Small Tree Populations
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16K07773
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齊藤 陽子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00302597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 雄二 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 名誉教授 (90213024)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小集団 / 発芽率 / 個体数 |
Outline of Annual Research Achievements |
シオジ1集団において開花期の5月初旬に雄雌判定のための単眼鏡による観察を行った。しかし、2018年度は花が少なく、十分な観察を行えず、雌雄の判別ができなかった。夏季に、より近くから確実に花の観察が可能か検証するため昨年度とは異なる機種のドローンでの樹冠観察を行い、十分に樹冠に接近することができた。 2018年度は、イチイガシについて7集団、シオジについては3集団において落下種子の捕捉あるいはシードトラップでの回収を行った。両種とも本年度は不作で、シオジは、回収された種子は全体で36個であり、2017年度の2集団で1,320個と比較して著しく少なかった。また、イチイガシも、回収種子は計132個と6集団で417個回収できた2017年度と比較して少なかった。 イチイガシについては、水浸ののちに沈んだ種子53個(5集団)について発芽実験を行った。その結果、各集団の種子の発芽率は0%~35.5%であった。2017年度にも供試できた同じ3集団では、2ヵ年で差があるとは言えなかった。また、成木の個体数が異なる集団の発芽率はそれぞれ25.0%(成木2個体)、28.6%(3個体)、11.1%(6個体)、35.5%(15個体)と、個体数が多い集団で高かったが、個体数が少ない集団が極端に低くはなかった。 一方、シオジについては、2017年に2集団で回収した種子の発芽実験を行い、その結果、個体数が多いコントロール集団と少ない集団(成木12個体)では有胚率は45.5%と44.2%とほとんど違わなかった。一方、発芽率はコントロール集団は33.1%であったが、12個体からなる小集団では発芽個体がみられず、集団による差がであった。 これらのことから、イチイガシは個体が少ないことが直接発芽率の低下にはつながらないが、シオジは個体数の影響により発芽率が影響をうける可能性が示唆された。
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