2018 Fiscal Year Research-status Report
国内外の軽架線技術の総括に基づく革新的軽架線装置の開発
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16K07779
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
鈴木 保志 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授 (20216451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 哲彦 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 教授 (40252499)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 架線 / 集材 / 索張り方式 / 軽架線 / 力学モデル / 生産性 |
Outline of Annual Research Achievements |
軽架線の適切な適用範囲を、他に一般的に用いられる集材システムも含めて地形に関する条件から判別する手法について検討した(発表:山﨑ら2018,2019)。この成果をもとに、最終年度は経費的制限と物理的制限を考慮して軽架線が備えるべき規格を提示することが可能になる見込みである。また、集材システムを適用するための投資(基盤整備と作業システムに要する経費)が妥当なものかどうかを判断する新たな手法を提案した(発表:鈴木ら2019a,2019b)。 力学モデルについては、簡易な模型によりスイングヤーダに用いられる索張り方式ともあわせて基本的な挙動について確認する実験を行い、主索の駆動力と搬器の係留力に関する基本的だが新たな知見を得た(発表:吉村ら2018)。また、屋内に設けられた、支間距離10mで索や支柱各部に働く力を連続的に計測できる架線シミュレーターを用いて、より実機に近い条件で力学モデルの精度を検証する実験を開始した。H30年度は基本実験と横取り実験を行い、搬器係留力等の検証を最終年度に実施するための準備を整えた。 その他、より簡易な架線系システムとして、ポータブルウィンチによる簡易集材法について実証実験によりその効果と労度負荷を検証した(発表:吉村ら2019)。架線系システムによる残存木損傷の経過を調査し影響の軽減策を検討した(発表:竹嶋ら2019)。軽架線を含む複数の集材方式を適用した事例について、作業道の改良により総合的な集材経費を低減させることができることを確認した(論文:山崎ら2018)。小面積皆伐に機械化システムを適用した事例の経費を詳細に分析した(論文:Suzuki et al. 2019)。架線による針広林同時皆伐作業での総合的収支を分析した(論文:福田ら2019)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
力学モデルの提案と検証については、得られた知見により新たな課題も生じたことにより当初の計画よりも総括する時期が遅れているが、研究としては予想を上回る成果を得られる見込みとなっている。軽架線装置の投資効果と適切な仕様の提示については、集材システムの機材のみならず基盤整備や森林管理施業も含めたものとして検討する手法を提示することができた。以上から、遅れている部分もあるものの、予想以上の成果を得られている部分もあることから、全体としてはおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
力学モデルについては、準備を済ませている架線シミュレーターを用いた検証実験を実施する。最終年度の総括として、まず索張り方式についてこれまでの成果を総合的に振り返る。索張り方式の分類、および力学モデルで検証した結果も総合的に勘案して、搬器の係留方式やウインチの改良といった投資効果について、路網整備などの基盤整備や森林施業・森林管理のための費用も考慮し、目的や条件別に適切な軽架線システムを提示する。
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Causes of Carryover |
謝金、および「その他」の投稿論文に関する経費(英文校閲、投稿料)について、調査・実験の実施および投稿論文の投稿・掲載時期が予定よりも遅れたため、次年度にまわすこととなった。翌年度は最終年度であり、これらを含めて計画通りに使用する。
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Research Products
(10 results)