2017 Fiscal Year Research-status Report
新規な手法で作製した二元系Cu触媒担持木質バイオマス炭素化物の水素製造用触媒特性
Project/Area Number |
16K07802
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
浅田 隆志 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (60434453)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 木質バイオマス / 炭素化 / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
ボールミルを用いた新規手法によりCu-Zn触媒を担持したスギ炭素化物を作製し,製造条件が表面特性と触媒特性に与える影響を検討した。 共沈法により調製したCu-Zn触媒をボールミル処理によりスギおが屑に担持し,炭素化することでCu-Zn触媒担持スギ炭素化物を簡便に作製できた。共沈法によるCu-Zn触媒調製時の添加量比(Cu/Zn)と比べて担持量比(Cu/Zn)は大きくなった。しかし,共沈法で調製したCu-Zn触媒におけるCuとZnの比(Cu/Zn)と比べると担持量比(Cu/Zn)はほぼ同じであり,また,Cu-Zn沈殿添加量に比例してCuとZn担持量が増加したことから,本方法では簡便にCuとZnの組成比を制御できることが示された。炭素化温度の影響としては,400℃,700℃,1000℃で炭素化した際,炭素化温度の上昇によりBET比表面積や全細孔容積は増加したが,1000℃で炭素化した際,Cu担持量に比べてZn担持量が極端に少なかった。また,Cu-Zn触媒担持スギ炭素化物の粉末X線回折分析において,700℃炭素化時は,CuOとZnOのピークが検出され,さらにCu-Zn触媒の添加量の増加にともないピーク高さが増大した。XRDの結果とCuおよびZn担持量を合わせて考慮するとCuOとZnO以外にアモルファス状の金属の存在も考えられた。 CuとZnが両方担持された700℃炭素化により作製したCu-Zn触媒担持スギ炭素化物の水性ガスシフト反応に対する触媒性能については,Cu-Zn触媒添加量の増加に伴い触媒活性が増大した。一方,Cu-Zn触媒添加量の増加に伴いCu-Zn触媒の単位重量あたりの触媒活性は低下したことから,Cu-Zn触媒の分散性の低下が予想された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究計画は,Cu-Zn触媒を担持したスギ炭素化物の作製と表面特性,触媒特性の評価であった。 Cu-Zn触媒担持量,組成,炭素化温度等が細孔特性,分散金属の化学形態,金属担持量,組成等の表面特性および水性ガスシフト反応に対する触媒性能に与える影響を評価し,多くの知見を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的であるボールミルを用いた新規手法によりCu-ZnおよびCu-Mnの二元系Cu触媒担持スギ炭素化物を作製し,製造方法が表面特性,触媒性能に与える影響の解明を計画通り実施する。 平成30年度は,計画とおりCu-Mn触媒あるいはCu-Zn触媒の調製方法が二元系Cu触媒担持スギ炭素化物の表面特性,触媒性能に与える影響を評価する。
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Causes of Carryover |
研究成果を論文投稿するための英文校正用の予算として確保しておいたが,年度内での執筆が間に合わなかったため次年度使用額が生じた。4月中には英文校正に依頼し次年度使用額はすぐ使用する予定であり当初の使用計画には変更がない。
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