2018 Fiscal Year Annual Research Report
Ionic liquid treatment for increasing the wet strength of paper for aqueous environment purification
Project/Area Number |
16K07810
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
市浦 英明 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授 (30448394)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イオン液体 / 湿潤紙力 / 水浄化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今までの研究で、イオン液体処理により、紙の湿潤紙力強度が向上すること、さらには使用して回収したイオン液体の再利用が可能であることを示した。そこで、今年度は、水環境浄化を目的として、活性炭を混合した紙を調製し、水環境浄化機能の評価を行った。 活性炭含有紙は、手漉き抄紙機により調製した。調製した紙を加熱した少量の [BMIM]Cl に浸漬後、80℃のガラス板に挟み、一定時間加熱した。エタノールおよび蒸留水を用いて洗浄後、プレス乾燥を行った。活性炭含有紙はメチレンブルー(MB)を用いて、調製した紙の染料除去性能を評価した。 調製した活性炭含有紙にイオン液体を用いて湿潤強度を付与することが可能であった。イオン液体処理時間が長くなるにつれて、湿潤強度は向上する傾向であった。また、MB染料を効率的に除去することができ、イオン液体処理による活性炭の染料除去能への影響はほとんどなかった。さらに、撹拌を行いながら染料吸着試験を行った場合、静置の場合と比較して効率的に吸着できた。この場合、イオン液体処理を施した活性炭含有紙は、平衡状態になった時点でもシート形状を維持し、活性炭粉末が漏出しなかった。一方、イオン液体処理をしていない活性炭含有紙は、シート形状が維持できず、活性炭粉末が漏出した。これより、従来難しかった活性炭含有紙を水中で撹拌しながら活用できることが示された。紙へのイオン液体処理は、湿潤紙力を付与する手法として、有効であった。 イオン液体を活用する手法は、処理が容易で、環境負荷の低減が可能であることから、今後の展開が有望視される。
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