2016 Fiscal Year Research-status Report
30年間の接岸量調査と初期生活史解析に基づくニホンウナギ接岸回遊機構の解明
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16K07853
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
篠田 章 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70401297)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ニホンウナギ / シラスウナギ / 接岸量 / 接岸回遊 |
Outline of Annual Research Achievements |
鹿児島県種子島の伊原川河口において,2016年10月から2017年3月までの期間に14回のシラスウナギ来遊調査を行った。漁期前半のCPUE(単位時間当たり漁獲量)は高値だったものの、漁期の中盤から終盤にかけては低値であった。 エルニーニョの発生年(1992 年と2016 年)と通常年(1993 年と2014 年)に、それぞれ種子島の伊原川河口に接岸したニホンウナギを解析した(n = 39)。1992、1993、2014、2016 年級群の平均接岸日齢は、それぞれ163.0 ± 17.8日(128 - 185; n = 10)、167.4 ± 11.5 日(146 - 183; n = 10)、175.8± 14.6 日(153 - 195; n = 9)、181.9 ± 20.4日(162 - 216; n = 10)であり、年級群間に有意な差は認められなかった(ANOVA, P = 0.07)。レプトセファルス期とシラスウナギ期の長さについても、同様に4 つの年級群間で有意な差は認められなかった。エルニーニョ発生との関連を見てみると、発生年(1992 年と2016 年)のレプトセファルス期のばらつき(96 - 144 と105 -169)は、通常年(1993 年と2014 年)のそれら(114 - 151 と120 -155)よりも大きかった。この理由として,エルニーニョの発生にともなって北赤道海流中に中規模渦が多く形成され、これに取り込まれる個体が出現するために輸送にかかる時間がばらつくものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度であり解析の開始までに少し時間を要したため、当初予定よりも初期生活史推定がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度も引き続き、伊原川河口でのシラスウナギの接岸量調査を行う。シラスウナギの初期生活史推定を進める。
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Causes of Carryover |
初年度に予定していた種子島での研究打合せを電話会議で代替した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した助成金は、翌年度請求分と合わせて実験用消耗品の購入に充てる。
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Research Products
(1 results)