2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of recruitment mechanisms of Japanese eel based on 30 years monitoring glass eel recruitment and early life history analysis
Project/Area Number |
16K07853
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
篠田 章 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70401297)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ニホンウナギ / シラスウナギ / 接岸量 / 接岸回遊 |
Outline of Annual Research Achievements |
鹿児島県種子島の伊原川河口において,2021年5月から2022年3月までの期間にシラスウナギ来遊調査を行った。これらのサンプルは今後解析に供する。 2019,2020,2021年のそれぞれ1月に種子島の伊原川に接岸したシラスウナギを解析した(19ー21年群; それぞれn = 29, 35, 30)。標本の全長(TL)と色素の発達段階を記録した。19年群と20年群から無作為に9個体と10個体を選別し,耳石の輪紋構造を解析した。 標本の全長は,19年群(58.2 ± 2.4 mm),20年群(57.8 ± 2.1 mm),21年群(58.2 ± 2.4 mm)であった。体表色素の発達段階はVA-VIA0であった。19年群の変態開始と接岸の日齢はそれぞれ125.8 ± 13.2 日(107-149)と160.6 ± 12.2 日(147-182),20年群のそれらは115.2 ± 15.8 日(94-146)と150.3 ± 16.6 日(127-184)であった。また,19年群と20年群の推定孵化日は,それぞれ2018年7月上旬-8月中旬,および2019年7月下旬-9月下旬であった。19年群の全長は54.0-64.2 mmとばらつきが大きく,渦に取り込まれるなど輸送環境は不安定であった可能性を示唆する。一方,20年群と21年群は全長がほぼ均一な個体が接岸しており(54.7-61.3 mm と54.1-58.0 mm),安定した海流により輸送されたものと考えられた。また,20年群は19年群より若齢で変態を開始して接岸し,さらに調査地点では最短となる130日前後での接岸も認められた。以上より,今回解析した3年間において,シラスウナギの輸送環境は後半ほどより安定していたものと考えられた。
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