2018 Fiscal Year Research-status Report
Functional elucidation and optimization of quantitative detection of biological response factors for quasi-immune respose in Marsupenaeus japonicus
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16K07860
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
佐藤 純 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 増養殖研究所, グループ長 (10443350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米加田 徹 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 増養殖研究所, 研究員 (40597944)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クルマエビ / ウイルス / 生体防御 / ワクチン / 免疫様現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
クルマエビにWSSV組換えタンパク質を投与したときに誘導される免疫様現象に関係していることが予想されるレクチン関連因子発現遺伝子のノックダウンと免疫様現象の発現状況についてバイオアッセイ試験等により観察することを目的とした。 ノックダウン実験を実施するに先立ち,免疫様関連遺伝子として発見しているレクチン関連の4遺伝子について発現解析を行ったところ,心臓および中腸腺で有意に発現量が高くなる遺伝子が存在することが分かった。続いて,これらの免疫様現象関連遺伝子のノックダウン実験〔RNA干渉実験)を行うために,二本鎖RNAを合成するための鋳型PCR産物を作製した。作製したPCR産物を精精後二本鎖RNA合成キットを用いて,正鎖と相補鎖を作製した後アニーリングさせて二本鎖RNAをそれぞれ,約2mgずつ作製した。今後,これらをクルマエビに接種して,ノックダウン条件を検討する計画である。また,復元試験に用いる計画であるレクチン関連タンパク質のCHO(Chinese Humster Ovary)発現系での組換えタンパク質の取得を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の計画目標であるクルマエビ由来の生体防御因子遺伝子のノックダウンの実施に向けてある程度進捗した。ノックダウンによる機能評価法の構築のため、昨年度にChinese Humster Ovary細胞株であるCHOにエビの生体応答因子タンパク質を発現させる手法を構築した。今年度、本発現系を用い、目的の4タンパク質中2タンパク質でネイティブに発現させることに成功し、ノックダウン後の復元試験に供試できる見込みとなった。ところが、CHOでの発現に成功した生体防御関連タンパク質は、「レクチン経路」を構成することが予想され、直接的にWSSVを中和すると想定していたが、CHO発現の組換えタンパク質を用いたクルマエビ生体に対するバイオアッセイ試験の結果、WSSVを凝集する働きが見出された。このため、残りの2タンパク質についても予想外の機能の存在も示唆されたことから、復元試験のための供試タンパク質として必要となったため、発現条件の構築と各タンパクにおける詳細な機能解析が必要と考えられた。このような理由から,ノックダウンの実験を一時保留にし、クルマエビ由来CHO発現タンパク質を用いた詳細な機能解明を実施することにし、 1年間の延長申請を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り,組換え生体応答因子の機能解析を主にバイオアッセイ試験で進捗させる。ノックダウン条件,即ち,siRNAの投与量,持続期間を検討し,把握する。ノックダウン個体に対して,組換え生体応答因子を接種して,WSSV接種時の死亡状況を観察し,応答因子の機能について考察する。
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Causes of Carryover |
CHO発現で得られるようになったクルマエビ由来の生体防御関連タンパク質は「レクチン経路」を構成すると予想されるが,WSSVを凝集する働きがクルマエビ生体を用いたバイオアッセイ試験で見出された。当初予測した直接的にWSSVを中和する機能とは異なるため,応答因子の詳しい機能を解明する必要が新たに示された。
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