2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of neutralization of acid envirnments by alkalinization yeasts and their enzymes
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16K07868
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
浦野 直人 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (90262336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡井 公彦 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (00596562)
石田 真巳 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (80223006)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 酸性水圏 / 中性水圏 / 塩基性水圏 / 中和 / アルカリ化酵母 / 広域pH耐性酵母 / バイオリアクター / アミノ酸代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
強酸性水の中和能を持つアルカリ化酵母Candida fluviatilis CeA16を用いて、酸性・中性の培地で培養後に、菌体破壊液の電気泳動を行い、細胞内タンパク質の変化を調べた。中和機構に関与するタンパク質の存在は確認できなかった。またCeA16は酸性~中性条件下でのアンモニウムイオンの生成量にほぼ変化が無いこともわかり、CeAによる酸性水中和機構は特定タンパク質の誘導では無く、別の要因が関与していることがわかった。 CeA16は中性条件下でアミノ酸代謝が活発化して、アスパラギン酸とグルタミン酸が細胞内に蓄積され、中和機構を阻害することがわかった。また、CeA16は中性~塩基性下では有機酸(リンゴ酸とグルタミン酸)の細胞外生成能が上がるため、アンモニウムイオンが生成されてもpHの上昇が抑制されることがわかった。 アルカリ化酵母は当初、強酸性水圏に偏在していると考えていた。ところが、横浜市周辺の中性水圏からもアルカリ化酵母が発見された。分類同定結果から、強酸性水圏と中性水圏に生息するアルカリ化酵母はほぼ同一種であることがわかった。次ぎに、塩基性水圏から耐アルカリ性酵母を単離したところ、これらの酵母は強酸性水を中和するアルカリ化酵母であり、酵母種も前二水圏のものとほぼ同一であった。これらの結果から、pH2~11に至る広域水圏において、いずれもpHでも高い増殖能を持つ広域pH耐性酵母が生息し、これらは同一種であり、強酸性水の中和能を持つアルカリ化酵母であることがわかった。 群馬県の吾妻川は強酸性水圏であり、生物活性を低下させるアルミニウムイオンを高濃度で含有している。そこで、第1リアクター(ゼオライト)でアルミニウムイオンを吸着させ、第2リアクター(アルカリ化酵母)で強酸性水を中和して、第3リアクター(ゼオライト)でアンモニウムイオンを除去するバイオリアクターを構築した。
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Research Products
(3 results)