2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular basis for onset of the novel 3rd toxicity of cyanotoxin microcystin-LR
Project/Area Number |
16K07875
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小松 正治 鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 教授 (30325815)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マイクロシスチン / OATP1B3 / アノイキス抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロシスチンLRの細胞内取り込み輸送体タンパク質OATP1B3を強制発現させたHEK293細胞 (HEK293-OATP1B3)を解析に使用した。 本年度研究計画の検討項目の一つとして挙げた,マイクロシスチンLR曝露後に剥離・浮遊を経験した形質転換細胞(HEK293-OATP1B3FL)および接着し続けた形質転換細胞(HEK293-OATP1B3AD)の出現を抑制し得る化合物の探索については,ポジティブな効果を示す化合物は得られなかった。本研究課題期間は終了するものの,引き続き次年度も探索を進める予定である。 HEK293-OATP1B3FLおよびHEK293-OATP1B3ADが示すマイクロシスチンLR耐性は,培養期間が長くなるに従って低下し,親細胞のHEK293-OATP1B3と同程度の感受性に戻る復帰変異現象を示すことが明らかになった。親細胞,両形質変換細胞,ならびに復帰変異細胞内のマイクロシスチンLR量を測定した結果,両形質転換細胞は樹立から数日後には細胞内のマイクロシスチンLRは消失あるいは検出限界以下レベルまで低下したにも関わらず,マイクロシスチンLR耐性を示し,この耐性が消失し復帰変異するまでに約1ヶ月を要した。すなわち,細胞内にマイクロシスチンLRが検出されないにも関わらず,マイクロシスチンLR耐性を示す期間が数週間存在し,その後,復帰変異することが明らかになった。 生薬キンオウシ抽出液が MC-LRの細胞毒性を抑制することをすでに明らかにした。 そこで、本機能成分の同定を試み、キンオウシの主要含有成分である quercetinおよびkaempferolがMC-LRの細胞毒性を抑制するか否かを検討した結果,quercetinおよびkaempferolは、 OATP1B3を介するMC-LRの細胞内取り込みを抑制することを介して細胞毒性の抑制効果を発揮することが判明した。
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Research Products
(3 results)