2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K07878
|
Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
末武 弘章 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 教授 (00334326)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮台 俊明 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 名誉教授 (20157663) [Withdrawn]
中村 修 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (00306648)
筒井 繁行 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (20406911)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類の胚中心における抗原捕捉に関わる細胞である濾胞樹状細胞(FDC)の分化に重要な遺伝子はLTとLTbetaRと考えられているが、そのうち、魚類ではLTと考えらえていた遺伝子がLTとは異なりモノマーを形成して、細胞膜上に発現し、ヘテロマーを形成する哺乳類のLTとは異なる発現様式を示すことが示された。このことは魚類においてはLTの受容体であるLTbetaRが存在するものの、リガンドであるLTの方が進化の過程でまた生じていないことが強く示された。魚類では抗原捕捉はするもののFDCは見つかっていないことから、LT/LTbetaRを介するシステムとは異なる抗原捕捉機構が重要であることが予想される。 そのうちの1つであるメラノマクロファージセンターで発現していることが想定される細胞分化に関わる転写調節因子遺伝子のオーソログは魚類においては哺乳類とは異なり2つあることを明らかにしたが、トラフグにおける組織別発現を調べたところ、2つの遺伝子の発現パターンは大きく異なっていることが明らかになり、そのうち、哺乳類とよく構造が保存されている方の遺伝子は発現パターンが大きく哺乳類の発現パターンと異なっていたことから、魚類と哺乳類の抗原捕捉細胞の分化機構が異なることが予想された。 メラノマクロファージの特徴である赤血球リサイクル機構を調べるために、ゼブラフィッシュやトラフグに傷害を与えた赤血球を投与したところ、メラノマクロファージ様の細胞が脾臓や腎臓に速やかに現れた。このことは、メラノマクロファージと同様に赤血球の代謝と鉄のリサイクルに関わる細胞が複数系統あることを示唆するものである。これらのように、魚類と哺乳類の抗原捕捉に関わる細胞が異なる可能性が示されつつある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
魚類飼育室のポンプと温度調整装置が相次いで故障したことにより、魚が飼育できない状況が生じた。そのため、飼育設備の修理と魚の再入手、馴致に時間がかかった。これらの理由から研究遂行のために延長を申請した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2種類の標的遺伝子の機能の違いが見えてきたため、セルソーターを用いてメラノマクロファージを単離し、その遺伝子発現パターンを解析する。また、抗原捕捉候補遺伝子の発現パターンの解析を行う。
|
Causes of Carryover |
魚類飼育室のポンプと温度調整装置が相次いで故障したことにより、魚が飼育できない状況が生じた。そのため、飼育設備の修理と魚の再入手、馴致に時間がかかった。これらの理由から研究遂行のために延長を申請したため。
|
Research Products
(1 results)