2017 Fiscal Year Research-status Report
グローバリゼーション下における小麦生産の国際競争力強化の可能性-日独の比較分析-
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16K07916
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
関根 久子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター, 上級研究員 (80455302)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小麦生産 / 小麦育種 / 日独比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、1)小麦生産費と畑作経営の収益性の把握、2)小麦を含む畑作に影響を与える制度・政策的条件と経営構造の把握に取り組んだ。 1)については、日本とドイツの畑作経営への実態調査を実施し、両国における小麦の生産費と収益性を把握することとなっていた。特に、生産費については資材の投入量・単価といった原単位まで把握することとなっていた。昨年度に選定し調査を行った日本(北海道十勝地方)とドイツ(ニーダーザクセン州)の畑作経営における調査を引き続き行った。そして、小麦の栽培技術体系を把握するとともに、北海道十勝管内農協およびドイツニーダーザクセン州に位置するThuenen Institutの協力の下、生産資材の単価等についても継続して調査した。また、収益性については、畑作経営への聞き取り調査を行なうとともに関連機関への聞き取り調査を実施した。 2)については、農業団体や小麦関連業界等への聞き取り調査を通して、小麦を含む畑作全体に影響を与える制度・政策や、環境規制などを把握することとなっていた。今年度は、小麦収量に影響を及ぼす小麦品種の開発・普及に関する調査を行った。具体的には、日本とは異なりドイツでは民間企業により小麦育種が行われていることに着目し、日独両国における小麦の品種開発体制、育成者権使用料の回収方法について調査を実施した。ドイツでは、生産者が認証種子を使用する場合だけではなく、自家採種を行った場合にも、育種企業が育成者権使用料を回収できる仕組みを整えていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、当初の計画通り、経営調査を進め、生産費の把握を行った。また、小麦の収量性を規定する品種開発体制にも着目し、日独の品種開発体制や育成者権使用料の回収方法の違いについても調査を行った。 生産費とともに、品種開発体制についても調査を行うことができ、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
日独の畑作地帯における調査は順調に進み、データの収集はほぼ終了した。今後は、収集したデータの分析を行い、その成果については関連する学会誌などに投稿し公表する予定である。
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