2016 Fiscal Year Research-status Report
若年単身層における生鮮果物消費の促進要因に関する実証的研究
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16K07919
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
山本 淳子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食農ビジネス推進センター, 上級研究員 (00355471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大浦 裕二 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80355479)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 消費 / 生鮮果物 / 若年単身者 / 面接調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)首都圏在住の20代~30代の未婚の男女6名を対象に、日常の食生活及び果物消費に関する面接調査を行った。親と同居している場合(4名)は、男女とも親が購入・調理した果物を朝食や夕食後などに頻繁に食べている(週2,3回~毎日)。そのうち男性(2名)は、自分用のカットフルーツを稀に購入する以外は、自分で購入したり調理して食べることはなかった。親と同居している女性(2名)は、自分でも購入・調理をしている。また、男女とも全員、子供の頃から果物を食べる習慣があるとしている。一方、一人暮らしの男性2名については、親と同居していた頃(子供の頃)は頻繁に食べていたが、現在はあまり食べていない。食べていない理由としては、販売単位が大きい、調理の手間が面倒、台所が狭く調理しづらい、果物の価格が高いことが挙げられた。これまで、果物消費には子供の頃の習慣が影響していると指摘されてきたが、子供の頃に食べる習慣があったとしても、調理に関わる環境が整っていない、あるいはライフスタイルに即した商品が提供されないと果物消費の抑制につながる可能性があることが示唆された。 2)日本の若年単身層の特徴をより広い観点から把握するため、若年層でも生鮮果物の消費量が多いフランスにおいて面接調査を行った。その結果、昼食でほぼ毎日果物を食べるという人が多いこと、リンゴなどは皮をむかずに食べる場合が多いこと、栄養価が高くビタミン豊富でダイエットに適しているという意識であること等を把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画は、国内の若年単身者数名に対して1週間程度の食事・買い物記録調査およびそれに基づく面接を実施することとなっていたが、量的な検証により適したデータを収集するため、次年度にWebアンケート調査を実施することに変更した。なお、面接調査は別途実施し、日常の果物摂取状況及びその背景を把握した。 フランスにおいても1週間程度の記録調査とそれを踏まえた面接調査を実施する予定であったが、予算上の都合により記録調査は実施しなかった。ただし、面接調査により普段の食生活に関するデータはある程度収集できた。 以上のことから、調査方法に関して計画から変更した部分はあるものの、全体として予定していたデータの収集はできており、そのためおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度は、28年度に収集した各種データの分析作業を中心に行う。面接調査結果はテキストデータ化した上で、生鮮果物購入の意思決定過程や調理・管理面の負担感、食生活における生鮮果物の位置づけ(熱量・栄養摂取面や満足感の確保に対する果物の評価)等について類型化を行う。これを日仏双方のデータについて行い、両者を比較する。 また、日仏の若年層を対象としてWebアンケート調査を実施し、調査日もしくはその前日の食事内容を把握する。そのデータをもとに、食事での生鮮果物の出現頻度や場面、他の食品との組み合わせ方の傾向を把握するとともに、生鮮果物が出現した者とそうでない者との違いを明らかにし、生鮮果物消費の促進・抑制要因を摘出する。 30年度は、29年度の分析結果を踏まえて、若年単身者が購入しやすい生鮮果物の属性を設定し、実験的手法により検証する。
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Causes of Carryover |
当初は記録調査を実施することとしていたが、より大量の定量データを得るために次年度にWebアンケート調査をすることに変更したため。また、効率的な執行につとめたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
日本およびフランスにおいてWebアンケート調査を実施する。
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