2017 Fiscal Year Research-status Report
若年単身層における生鮮果物消費の促進要因に関する実証的研究
Project/Area Number |
16K07919
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
山本 淳子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食農ビジネス推進センター, 上級研究員 (00355471)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大浦 裕二 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80355479)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 消費 / 果物 / 若年層 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)統計個票の解析による年齢階層別・世代別の生鮮果物消費量の推計 総務省家計調査個票を用いて世帯単位での購入数量から個人単位の購入数量を推計する方法を策定した。これをもとに1995年から2015年までの生鮮果物の年齢階層別・世代別消費量(購入数量)を推計したところ、1961~75年生まれの世代は30歳代後半から40歳代後半において、それまでの減少傾向から維持・増加傾向に転じており、それより新しい世代も今後この年齢階層に差し掛かると消費量を維持・増加させる可能性がある。しかしながら新しい世代になるごとに古い世代よりも消費量自体は少なくなっており、さらに、新しい世代ほど生鮮果物を全く購入しない「消費量ゼロ」の割合が高い。 2)フランスの果物消費に関する資料の収集と解析 フランスの公的機関から出されている果物消費に関わる資料を収集した。そのうち、農業省が調査会社に委託して取りまとめた資料「PRATIQUES ET HABITUDES DE CONSOMMATION DE FRUITS ET LEGUMES」(2016年4月)では、野菜・果物の消費習慣を年間6回の消費者調査から明らかにしている。そこでは、野菜・果物摂取の特徴から消費者を5つの類型に区分しているが、18~34才の若者は野菜・果物を最も食べない層の中核をなすとされており、全体的には日本よりも果物消費量が多いフランスにおいても、若年層は相対的に少ないことが確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日仏の消費者を対象にアンケート調査を行う予定であったが、アンケートの設計を試みたところ、各国の実情に即したアンケート内容とするためにはフランスにおいて再度面接調査が必要となった。しかし研究協力者が渡仏できず十分な調査ができなかったこと、また業務の都合から渡仏時期が12月末と遅くなったためアンケート調査の設計・実施の期間が年度内にとれなかったことから、アンケート調査が実施できなかった。 一方で、フランスでの通訳者を通じて、現地の果物消費に関する各種統計資料や文献が入手できたことから、アンケート設計のための基礎資料は確保でき、30年度に実施できる見通しが立った。これらのことから「やや遅れている」といえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
通訳者の協力を再度得て、現地の文献収集等をさらに進める。文献調査および28年度・29年度に実施した面接調査に基づいてアンケート調査を設計し、日仏でアンケート調査を実施し結果を比較する。アンケート調査では、調査日もしくはその前日の食事内容とその選択理由、果物や食事に対する意識等を把握する。 また、日本の若年層が購入しやすい生鮮果物の属性を設定し、実験的手法により検証する。
|
Causes of Carryover |
(理由)予定していた研究協力者が都合によりフランスに渡航できなかった。そのため、フランスでの面接調査が十分できなかったこと等からWebアンケート調査の設計・実施に至らなかった。その他効率的な執行につとめた。 (使用計画) 30年度に日本およびフランスにおいてアンケ―ト調査を実施する。
|
Research Products
(2 results)