2018 Fiscal Year Research-status Report
若年単身層における生鮮果物消費の促進要因に関する実証的研究
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16K07919
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
山本 淳子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食農ビジネス推進センター, 上級研究員 (00355471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大浦 裕二 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80355479)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 消費 / 生鮮果物 / 若年層 / 情報過負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、スーパー等の売り場では、多様な品種・産地・価格・数量の生鮮果物が販売され、さらに生産者名や栽培方法、環境負荷等の情報が明記されている。このような状況は、消費者の購買場面において、「情報過負荷(消費者に対して必要以上の情報が提示され、負担が過大にかかることによって、意思決定や判断に逆効果が及ぼされる現象)」をもたらしていることが想定される。 そこで、若年層において生鮮果物の消費が低迷している要因の一つに、この「情報過負荷」があると考え、実験的手法により検証するための予備調査を行った。 被験者27名(大学生)を2つのグループに分け、モニター上に①15種類の商品を提示した場合と5種類の商品を提示した場合、②1商品あたり12属性の情報(品種、産地、価格、色、大きさ、JA名、生産者名等)と6属性の情報を提示した場合(いずれも3商品を提示)を対象に、提示画面への主観的な評価(提示された商品が似ている/多いか、提示された情報が多いか/わかりにくいか、を7段階で評価)を把握した。実際のスーパーの売り場を参考に、①ではかんきつ類、②ではイチゴを用いた。 ①では「提示された商品が多い」と「提示された情報がわかりにくい」に関して、15種類提示された被験者の方が5種類提示された被験者に比べて、より「多い」「わかりにくい」と感じており、店舗での多様な商品展開が購買のしにくさにつながっている可能性が示された。ただし②では提示された情報量による差は確認されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者が担当する他の研究業務が当初の予定より大幅に時間をとったため、本研究課題が計画通りに実施できなかった。また、実施予定であった日仏比較に関して、調査設計に必要な文献収集に想定以上に時間を要したため、調査の設計に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
日仏比較については文献収集を進め、アンケート調査あるいはインタビュー調査(在日本フランス人を対象)を実施する。また、若年層が購入しやすい生鮮果物の販売方法の検討に向けて、情報過負荷の発生状況を引き続き明らかにする。その際、心理的な負担を把握するための質問紙調査、インタビュー調査に加えて、アイカメラを用いた視線軌跡計測を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究代表者が担当する他の研究業務に時間を要したため、計画していた日仏比較調査および実験的手法による調査の一部が実施できなかった。 (使用計画) 日仏比較調査および日本の若年層に対する実験的手法による果物購買行動調査を行うこととし、そのために必要な経費に使用する。
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