2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of meteorological damage mapping for citrus fruits using a highly resolved numerical model
Project/Area Number |
16K07963
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大橋 唯太 岡山理科大学, 生物地球学部, 教授 (80388917)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | カンキツ果樹 / 寒害 / 気象シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、最終年度として以下の成果をあげることできた。 前年度に続き、カンキツ果樹の栽培が盛んな瀬戸内海および四国西部を中心に、冬季の低温継続時間の高解像度マップを数値シミュレーションによって作成した。瀬戸内海のしまなみ島嶼部は、冬季の低温現象が強く現れやすい。気温の長期統計をみても、冬季の瀬戸内海は外洋に近い南予・宇和島地域よりも低温出現頻度が多く、近辺の海面温度の影響が要因として考えられた。気象庁アメダスを含むモデルグリッドは標高が十数mと低いが、国土地理院の国土数値情報から判別した樹園地は、おおむね標高100mまで分布していることがわかった。南予・宇和島の低温記録時間は、標高が高いグリッドほどアメダスグリッドの低温時間よりも大きく増え、標高100m以下で限定しても2倍の10時間近くにまで達するグリッドもみられた。ところが瀬戸内海島嶼部の大三島などでは、標高が高くなっても南予・宇和島地域ほどに低温時間が顕著に長くなる傾向はみられなかった。両地域を同じ標高で比べてみると、大三島など瀬戸内海しまなみ島嶼部の低温時間のほうが南予・宇和島地域よりも明らかに長い特徴が、特に標高100m以下のグリッドに対してみられた。このように、外洋に近い南予・宇和島地域では樹園地の広がる標高100m以下でも低温記録時間には標高による大きな差がみられる一方、瀬戸内海のしまなみ島嶼部は島全体が標高によらず低温傾向が強くなっている様子が、数値シミュレーションから再現された。 以上の結果を含むこれまでの研究成果を、国内外の関連学会で発表した。また、海外雑誌の学術論文としても1編発表することができた。
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Research Products
(6 results)