2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cryopreservation of complex structures comprised from different cell types (bovine cumulus-oocyte-complexes and rat pancreatic islets)
Project/Area Number |
16K07985
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
保地 眞一 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (10283243)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ガラス化保存 / 卵丘卵子複合体 / 膵島 / クライオトップ / ナイロンメッシュ / シルクフィブロイン |
Outline of Annual Research Achievements |
大容量ガラス化デバイスとして有効なことをすでに報告したナイロンメッシュデバイス (Yamanaka et al., Biopreserv Biobank 2017)、および加工性、吸水性に優れた孔質のシルクフィブロインスポンジディスク上において大量かつ一括でガラス化保存したラット膵島が、正常な形態を保って回収されること、そしてIn vitroでグルコースに応答してインスリンを分泌する能力を維持していることを確認した。さらに、ストレプトゾトシン投与によって1型糖尿病モデルラットへの腎被膜下膵島移植によって同ラットの血糖値を正常化させることも明らかにし、In vivoでもガラス化・加温膵島が正常機能を発揮できることを実証した。この成果は米国、カリフォルニア州 サンディエゴで開催された国際低温生物学会 (CRYO2019) で発表した。
40個以上のウシM-II期卵子を一括でガラス化保存しようとするとき、卵子蘇生率にとって最適なナイロンメッシュ開孔径があることを見出した (Chinen et al., Cryobiology 2019)。また、シルクフィブロインシートからなるガラス化デバイスの開発に成功し、医療現場で汎用されているデバイスのクライオトップや前述のナイロンメッシュデバイスと同等の効果があることもわかった (Nakayama et al., Theriogenology 2020)。さらに、加温卵子に対して体外受精前に2時間の回復培養を施すとき、この培養液に抗酸化剤のレスベラトロールを添加しておけば蘇生率が改善されることも明らかにした (Chinen et al., Cryobiology 2020)。
|