2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the regulation of sulfated zona glycoproteins associated with the reduction of polyspermy during in vitro fertilization of porcine oocytes
Project/Area Number |
16K07992
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
建本 秀樹 琉球大学, 農学部, 教授 (70227114)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ブタ体外受精 / 透明帯 / 糖タンパク質 / 脱硫酸化 / 多精子受精 / 先体反応 / 透明帯硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの我々の研究で,媒精前にsulfataseで透明帯構成糖タンパク質を脱硫酸化処理することによって,多精子受精を抑制する新しいIVF法の確立に繋がる可能性を見出した。したがって,本研究では,sulfatase処理が卵活性化後の透明帯や胚発生に対して如何なる変化を及ぼすか否かを検証した。 まず初めに,媒精前の10分間のsulfatase処理がIVF時の受精および精子-透明帯間の相互作用に及ぼす影響について検討した。その結果,無処理区(48%)と比較してsulfatase処理区(25%)では,精子侵入率が減少することなく多精子受精率が有意に低下した。また,媒精2時間後の透明帯への結合精子数,および透明帯結合精子の先体反応誘起率は,無処理区に比較してsulfatase処理区で有意に減少した。次に,sulfatase処理の有無により,卵活性化後の透明帯構成糖タンパク質の変化に相違が生じるか否かについて調べたところ,透明帯のプロテアーゼによる溶解時間は卵活性化後2.5-3.0時間に有意に長くなり,この変化に両処理区間で違いは無く,sulfatase処理の有無が単為発生卵の胚盤胞期胚の孵化率を阻害することもなかった。また,透明帯構成糖タンパク質のビオチン化標識ZP1 + ZP2バンドの検出強度も両処理間に有意差はなく,それぞれ活性化処理3時間後に有意に減少した。 したがって,sulfataseの透明帯構成糖タンパク質を脱硫酸化処理により,透明帯への結合精子数が減少すると共に,透明帯結合精子のプロアクロシン活性化に伴った先体反応誘起が抑えられ,その結果として多精子受精が減少したと考えられる。 最後に,IVF後のsulfatase処理区の胚盤胞期胚発生率は,無処理区と比較して増加する傾向が見られ,sulfatase処理が受精後の胚発生能に悪影響を及ぼさないことが示された。
|
Research Products
(3 results)