2018 Fiscal Year Research-status Report
Expressions of fatty acid receptors, the 6th taste sensation, in various organs
Project/Area Number |
16K07995
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
谷口 和美 北里大学, 獣医学部, 准教授 (00171843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞鍋 昇 大阪国際大学, その他部局等, 教授 (80243070)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 味覚 / 脂肪 / 脂肪酸 / 栄養 / リアルタイムPCR / 味蕾 / 膵臓 / 腸 |
Outline of Annual Research Achievements |
味覚には甘味、旨味、苦味、酸味、塩味の基本5味がある。近年、脂肪酸を認識することで死亡の味を感じる脂肪味が6つ目の味覚として注目されている。本研究は脂肪味受容体として有力視されている遊離脂肪酸受容体FFAR1~4 に着目し、これらの発現量の、ラット舌および視床下部でもmRNA発現量の成長に伴う変化を検討した。併せて、消化管、膵臓における脂肪酸受容体(Ffar)の発現についても併せて検討した。 結果、胎生期からすでに胎子舌には味蕾が存在し、Ffar1~4が発現していることを明らかとした。またFfar1は全ての組織において胎齢15日から生後188日まで発現量はほぼ一定であったことから、胎生期にはすでに1FFAR!による血統調節機能もしくは脂肪酸認識機能が備わっている可能性が示唆された。FFAR2は離乳後の食事に備えて発現量が増加し、FFAR4の増加は母乳の積極的接種を促していると考えられた。離乳後にFFAR2とFFAR3の顕著な増加がみられ、FFAR2の増加は糞中の腸内細菌生成物の短鎖脂肪酸を認識している可能性が示唆された。 加えて、食餌に伴うFfarの発現の変化も検討した。成熟した雄のマウスを実験群と対照群に分け、実験群には12週間にわたってコーン油を接収させた後、組織を採材し、組織学的検索およびリアルタイムPCRに供した。結果、コーン油投与群では成熟後もFfar2, 4の発現量が増加し、これらの受容体が舌からの刺激を利用して体脂肪量の調節をしていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おおむね予定通りであるが、これまでの実験結果がリアルタイムPCRを主体とするmRNAの解析を主としているので、現在、免疫組織化学、in situ hybridizationによる形態学的な研究の遅れをとりもどすべく、実験中である。
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Strategy for Future Research Activity |
形態学的な観察を主として行いつつある。具体的にはFFARに対する抗体の他、CD36に対する抗体等を用い、成長に伴うこれらの局在、発現について、観察している。また同じ実験を、腸、膵臓に対しても行う予定である。免疫組織化学的研究は共焦点レーザー顕微鏡を用い、これまでよく知られている甘味や苦味の受容体と、脂肪酸受容体の同一味蕾における共存、あるいは非共存も明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
実験が予定よりやや遅れ、結果として、現在も免疫組織化学的、in situ hybridization の研究を継続している。結果として、使用額が予定額に達しなかった。
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Research Products
(4 results)