2018 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on chicken and sheep meat peptides which contribute to activation of brown adipose tissue and raise body temperature after consumption
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16K08002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
若松 純一 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (30344493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 和久 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (40335427)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 食肉 / ペプチド / 体熱産生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28、29年度の試験において、食肉の人口消化物プロファイルに畜種や部位間にわずかながらに違いがあり、これが摂取後の体熱産生能の違いに関連がある可能性、鶏もも肉の親水性ペプチド画分に効果が高いことを示してきた。一方、培養肝細胞を用いたin vitroの評価系では、動物実験によるin vivoの研究では、甲状腺ホルモンの関与が示唆されていたにも関わらず、鶏もも肉の親水性ペプチド画分では全く逆な反応を示した。そこで平成30年度では、in vitroの評価系の再検討を行い、無血清培地などの各種培養条件で検討したが、同様の結果が得られた。また、我々の別の検討において、鶏肉タンパク質摂取は肝臓でのFASの発現を抑制することが示されていたが、in vitroの評価系では有意の発現が上昇していた。このため、鶏もも肉摂取後に消化吸収されたペプチドが直接的に肝細胞などに作用して、効果をもたらすものではないことが示唆され、当初計画していた視床下部-下垂体-甲状腺軸活性化作用については評価を行うことを中断した。in vitroの評価系が使えない状況下で、候補ペプチドの探索を投与と麻酔下での体温測定だけで評価するのは使用動物数が増え、動物愛護の観点からも好ましくないことから、行動的体温調節機構からの評価系の確立を行なった。温度勾配のある床面で好ましい温度帯を動物自ら選択する評価系で、無麻酔で行うことが可能となる。床材と温度勾配の選択、ケージ内の幅と長さ、評価時間及び時間帯の検証を行い、熱伝導性のよいアルミ板での実験が隅に集まるという習性を打ち消すのに良いことが明らかになり、評価系をおおむね確立できた。しかし、残念ながら、候補ペプチドの探索にまで利用するには時間が足らず助成期間内に行うことができなかった。
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