2017 Fiscal Year Research-status Report
ゲノムのゆらぎを基盤とするカンピロバクターの宿主適応及び病原性変動に関する研究
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16K08040
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
朝倉 宏 国立医薬品食品衛生研究所, 食品衛生管理部, 部長 (40370936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 寛海 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (00332445)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | カンピロバクター / ゲノム変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は複数のカンピロバクター食中毒事例由来株を対象とした全ゲノム解析並びに病原性関連形質の比較を進め、ヒト感染事象を通じた本菌のゲノム変動領域を特定した。一部の遺伝子群については、病原性亢進に関わると推定される腸管上皮付着因子としての機能性が推察され、実際にINT407細胞を用いた細胞付着試験により細胞付着性がヒト感染患者由来株では食品由来株に比べて相対的に高いことを明らかにした。なお、これらの遺伝子群については挿入変異ではなく部分欠失または同ゲノム内での転移が主体であったため、常在細菌叢が当該ゲノム変動に及ぼす影響は小さいものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画において目標として設定していた、ヒト感染事象を通じた対象細菌のゲノム変動領域の特定を達成したため、本研究の進捗状況としては概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの知見を踏まえ、感染事象を通じた可変遺伝子領域に対する機能性評価に関する検討を進める予定である。同計画の推進にあたっては、代表遺伝子群変異株の作成並びに形質変動解析を通じた総合評価を行うと共に、機能性遺伝子ネットワーク予測にあたることで、本菌の病原性・環境抵抗性等の形質を裏付けるゲノムのゆらぎに関する包括的知見が得られるものと考える。
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Causes of Carryover |
分担研究者配分額のうち、82828円が残額となった。その理由としては当初想定された食中毒事件数に比べ、対照とする実数が減少したためである。残額は来年度の食中毒分離株の検討に供する計画である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Rapid and Accurate Diagnosis Based on Real-Time PCR Cycle Threshold Value for the Identification of Campylobacter jejuni, astA Gene-Positive Escherichia coli, and eae Gene-Positive E. coli2018
Author(s)
Kawase J, Asakura H, Kurosaki M, Oshiro H, Etoh Y, Ikeda T, Watahiki M, Kameyama M, Hayashi F, Kawakami Y, Murakami Y, Tsunomori Y.
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Journal Title
Jpn. J. Infect. Dis.
Volume: 71
Pages: 79-84
DOI
Peer Reviewed
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