2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on pathomechanism and treatment of canine degenerative myelopathy using disease-specific iPS cell
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16K08049
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
神志那 弘明 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (50506847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保住 功 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20242430)
柴田 敏之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226172)
位田 雅俊 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (70512424)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 変性性脊髄症 / 神経変性 / 小胞体ストレス / SOD1 / ミスフォールド / ALS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では変性性脊髄症(DM)症例の皮膚線維芽細胞からiPS細胞を樹立し、神経細胞およびグリア細胞に分化させることにより,発症例の遺伝的背景を持ち合わせたDMのin vitroモデルの構築を行なう事を目的とした。本モデルを用いて、ミグログリアの活性化制御やSOD1タンパクミスフォールディングの安定化など新規治療薬候補のスクリーニングやDMの病態発生の解明を目指した。 まず初期化因子の導入法について、複数の導入方法および異なるベクターの比較検討を行ったが、安定したiPS細胞の樹立には至らなかった。DMのin vitroモデルとして小胞体ストレスに着目し、犬変異型SOD遺伝子導入細胞を用いたモデル構築に着手した。DMの病態と小胞体ストレスの関連を証明するために、DMの脊髄における小胞体ストレスマーカー(BiP)の発現解析とBiP陽性細胞の同定を行った。また、E40K遺伝子導入培養神経細胞を用いてE40Kによる小胞体ストレス誘導を解析した。IHCによりDM群の脊髄白質において、BiP陽性グリア細胞の増加を認めた。脊髄灰白質の神経細胞では両群でBiPの発現を認めた。DM群において増加を認めたBiP陽性グリア細胞はミクログリアおよびアストロサイトであった。Non-DM群のアストロサイトはBiP陰性であった。また、WBにより、ツニカマイシンを処置したE40K導入細胞は野生型SOD1導入細胞に比べBiPを高発現していることが明らかとなった。以上の結果から、E40Kによって小胞体ストレスが誘導され、それに対する応答としてBiP陽性ミクログリアの増加およびアストロサイトのBiP発現が引き起こされていると考えられた。ミクログリアおよびアストロサイトは小胞体ストレスにより炎症を惹起することが知られており、脊髄白質における小胞体ストレス誘導性炎症がDMの病態に関与していることが示唆された。
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