2018 Fiscal Year Annual Research Report
Coagulation activation by microparticles derived from malignant tumors and the diagnostic and therapeutic significance in disseminated intravascular coagulation in dogs
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16K08051
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
馬場 健司 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (90452367)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 犬 / マイクロパーティクル / 播種性血管内凝固(DIC) / 組織因子 / 悪性腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、犬の悪性腫瘍に続発する播種性血管内凝固(DIC)における血漿中組織因子由来凝固促進活性(TF-PCA)の診断および予後マーカーとしての有用性を検討すること、および組織因子含有マイクロパーティクル(TF-MP)の放出抑制による治療法を検討することである。診断および予後マーカーの検討については、最終年度では更なる症例データの蓄積および総合的な実験結果の解析を行った。非DIC群、Pre-DIC群、DIC群における血漿中TF-PCAは、特にDIC群で高値である傾向が認められたが、いずれの群間においても統計学的な有意差は認められなかった。治療前後で比較が可能であった症例では、臨床徴候の改善または悪化やDICからの離脱と血漿中TF-PCAの関連が認められた。これらの結果から、血漿中TF-PCAのDICにおける予後マーカーとしての有用性が示唆された。TF-MP放出抑制による治療法の検討については、前年度までの成果として、培養細胞において試験したいずれの薬剤においても期待されたTF-MPの放出抑制効果は認められなかったが、その中の一つであるシンバスタチンは、様々な犬の腫瘍細胞に対して細胞傷害作用を示すことが明らかになった。この結果を受けて、最終年度ではその抗腫瘍効果についてさらに検討した。その結果、シンバスタチンによる抗腫瘍効果は細胞によって感受性が異なること、およびその機序の一つとしてがん化に関わる重要なシグナル分子の一つであるRasタンパク質の活性化抑制が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)