2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K08054
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岩永 朋子 鹿児島大学, 共同獣医学部, 特例助教 (60713287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 隆治 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10466922)
齋藤 靖生 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 助教 (10731581)
丸山 征郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (20082282)
高橋 雅 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (40750419)
三浦 直樹 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (80508036)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | DIC / 血液凝固検査 / 血栓形成観測システム |
Outline of Annual Research Achievements |
犬のDIC診断に関する新規凝固検査機器である「全血血栓形成観察システム(Total Thrombus formation Analysis System:以下T-TAS)を用いてその評価を行った。健常犬を用いた参照範囲設定と健常犬へのアスピリン投与による影響をT-TASで検出し、2017年アメリカ獣医内科学学会(American Collage of Veterinary Internal Medicine;以下ACVIM)にて一部の成果を発表した。さらに、今年度はデータをまとめ、論文投稿中である。次に、健常犬でのデータを用いて、鹿児島大学附属動物病院(以下KUVTH)に来院した様々な疾患に対して、T-TASを用いた検討を行った。 術前症例に対して行った検討では、ルーチンな凝固検査では正常で、T-TASが異常であった症例が術後出血傾向をしめした。本件は日本獣医師会大会九州地区大会にて発表を行い、学会長賞を獲得した。 また、その他の疾患においては、循環器疾患において、重症度とT-TASでの変化に有意な関連性が認められた。T-TASはその血栓形成の経時的な変化を観察できることも特徴である。循環器疾患においてはこの血栓形成でも異常が認められた。膵炎症例に関しては重症症例が多く、サンプリングが困難な場合が多かったが、重症例では同様に血栓形成の異常を認めた。 これらのことより、T-TASは従来の検査では検出できない凝固能を検出でき、また、血栓形成を可視化できることより、血液凝固状態を多角的に観察でき、このことより、DICのようなより複雑な状態を早期に発見する検査として発展させられる可能性があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究に関して、健常犬に関する検討は国際学会発表を行うことができた。しかし、病院症例の中で、膵炎症例に関しては重症例が多く、状態の悪化などの理由から、予定されていた検体数に届かなかった。期間内にできる限り、サンプリングを行う予定である。そのほかの予定されていたサンプリングや測定はほとんど終了しており、論文を現在Submittしている段階である。本年度中にIn Pressを目指していたが、期間内では難しいと考えられ、この点に関して、やや遅れていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
膵炎症例に関してのサンプリングをできる限り行いたい。また、重症例に関して、その血栓形成に異常が認められていることが示されたので、この点に関して、さらに血小板活性をフローサイトを用いて検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
2018年9月から2019年3月まで、共同研究機関であるコーネル大学獣医学部へ留学しており、やや執行が遅れてしまったのと、当研究に関する論文をSubmitt中であるため、その投稿料が繰り越してしまったため、次年度使用額が生じてしまった。使用計画としては、血小板活性をみるキットの分と論文投稿料を予定している。
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Research Products
(6 results)