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2017 Fiscal Year Research-status Report

膜タンパク質による新しい転写調節機構の実証

Research Project

Project/Area Number 16K08066
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

山口 聡一郎  北海道大学, 獣医学研究院, 助教 (50596864)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
KeywordsTMC1 / タンパク質分解
Outline of Annual Research Achievements

本研究はtransmembrane channel-like protein 1 (TMC1) の細胞内N端領域の機能解明を目的とする。これまでの研究により、マウスのTMC1をHEK293細胞に強制発現させると一部の細胞において細胞内N端領域が核内に局在する結果が得られていた。これはTMC1の細胞内N端領域が切断され、核内に移行している可能性を示唆する。そこで、TMC1の細胞内N端領域にHAタグを挿入した変異体を作製し、強制発現と免疫染色を行い、HAの挿入部位と、HAが核内において検出されるか否かを指標として切断部位の推定を行った。その結果、76番目のアラニンと102番目のアラニンの間が主要な切断部位であるが、それよりC端側の領域においても切断されている可能性が示唆された。すなわち、切断部位が複数あることから、免疫染色による実験で切断部位を同定するのが困難であることが判明した。そこで、western blotによる切断断片の検出を試みた。条件を最適化することによって、少なくとも二つの切断断片が存在することが明らかとなった。またそれぞれの切断断片が出現するために必要なアミノ酸残基も明らかにすることができた。それらのアミノ酸残基は、その前後が切断部位であり、かつ、切断酵素の認識配列として重要なアミノ酸である可能性が高い。この情報からいくつかの切断酵素候補を挙げることができた。
一方で、前年度に作成した抗TMC1抗体をマウス蝸牛の脱灰標本で染色に用いたところ、非特異的な染色が多く、TMC1を正しく検出できなかった。マウス蝸牛の有毛細胞での細胞内N端領域の局在を明らかにするためには、標本調整を始めとして更なる条件検討が必要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

脱灰標本での有毛細胞の免疫染色がうまく行かなかったことや、切断部位が複数あるなどの予想外の結果によって進展が滞った面もあるが、代替法としてwestern blot法を行うことで、複数の切断に必要なアミノ酸配列を明らかにすることができた成果などが得られているため、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

切断酵素候補が挙げられたことから、それらの酵素の阻害薬を用いて、切断現象が抑制されるかを調べるなどの実験を行い、切断酵素を同定する。また、切断部位がおおよそ明らかにできたので、その部位までの細胞内N端領域を強制発現させて、転写調節機能があるか否かを調べる実験を行う。内因性に発現するTMC1の切断ならびに局在については、有毛細胞を分離採取して固定と染色を試みるだけでなく、蝸牛の他に少ないながらmRNAの発現が報告されている精巣を標本としたwestern blot法による解析も試みる。

Causes of Carryover

(理由)2千円以下と言う少額の残予算であり、その額内で購入できる物品で、前年度に購入する必要があるものが無かったため、生じた。
(使用計画)消耗品費として使用する。

Remarks

本研究成果の一部に関して、第160回日本獣医学会学術集会(鹿児島、2017年9/13-15)内の薬理毒性分科会における若手勉強会にて口頭発表を行った。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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