2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the molecular basis of sex difference and sex-specific epigenome regulation and maintenance mechanism in mammalian gonads
Project/Area Number |
16K08072
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
星 信彦 神戸大学, 先端融合研究環, 教授 (10209223)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 俊史 神戸大学, 農学研究科, 助教 (10380156)
田渕 圭章 富山大学, 研究推進機構 研究推進総合支援センター, 教授 (20322109)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 性分化 / 哺乳類性腺 / 真性半陰陽 / poschiavinus / B6J / B6N / SRY / SOX9 |
Outline of Annual Research Achievements |
性決定遺伝子(機構)は生物の進化の過程で保存されておらず,胎盤を有する哺乳類動物は独自のゲノムインプリンティングを基盤としたエピゲノム制御・維持機構を有することが明らかとなった.我々が作出したマウスC57BL/6N(B6N)-XY_POS[B6N背景にMus musculus poschiavinus由来のY染色体(Y_POS)を導入]は,両側に精巣を有する個体や真性半陰陽個体など雌雄が連続した性スペクトラムであることを明らかにしてきた.近年,マウスの亜系統間には様々な表現型の差異が認められ,B6J-XY_POS(正常な精巣を形成せず,卵精巣または卵巣を有する)とB6N-XY_POSとの生殖腺の表現型差異は,エピゲノム制御の相違が背景にあることが想定された.そこで,B6N-XY_POSをB6J背景に戻し交配し,精巣を有する個体が出現するか否かならびに各表現型の出現率の検討を行った.その結果,B6J背景への戻し交配に伴い,B6J-XY_POSでは両側に精巣を有する個体の出現頻度が低下する一方で,両側に卵巣を有する個体の出現頻度が上昇した.また,戻し交配3世代目以降,両側に精巣を有する個体は出現しなくなり,組織学的にも卵巣内に精巣様の構造物は認められなかった.しかし,B6J-XY_POSにおける性決定遺伝子Sryの発現開始は野生型と同時期であった.また,今回用いたB6N-XY_POSおよびB6J-XY_POSマウスのSox9遺伝子調節領域はすべてB6型で,雄性化誘導能の高いSwiss型ではなかった.B6J-XY-POSとB6N-XY_POSとのエピゲノムの差が,生殖腺の表現型に影響を及ぼすことが示された.B6J背景においてB6J-XY_POSの精巣化が破綻する原因は不明であるが,亜系統間の比較がその機序解明に有効と考えられた.
|
Research Products
(5 results)