2016 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋収縮依存的な分泌タンパク質による免疫機能制御機構の解明
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16K08077
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
根建 拓 東洋大学, 生命科学部, 教授 (50375200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 英夫 東洋大学, 生命科学部, 教授 (50416921)
加藤 和則 東洋大学, 理工学部, 教授 (60233780)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 運動 / 分泌タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに申請者は、確立した新規in vitro運動刺激系を用いて新規運動抑制性マイオカイン2種を同定した。今年度、そのマイオカイン抑制機構を解析したところ、マイオカインAについては運動依存的なAMPK活性化が分泌抑制に重要な役割を果たしていたのに対して、マイオカインBについてはp38活性化が分泌抑制に必須であることが分かった。すなわち、骨格筋における運動は、少なくとも2種類の異なるメカニズムを介してマイオカイン分泌を抑制していることが明らかとなった。以上の結果は、動物個体走行モデルにおいても同様の結果が確認されており、in vitroモデルのみならず動物個体運動によっても稼働する仕組みであることが示唆される。本結果は、予定通り国際学会にて発表を行った。 さらに今年度は、運動依存的な細胞外小胞(EVs)分泌変動を解析するための実験系の構築を行なった。細胞から得られた培養上清(Conditioned medium)を異なる遠心分離プロセスを行うことでEVsの単離・精製を行った。精製したEVsは、電子顕微鏡、ウエスタンブロットによる特異的表面抗原の確認、さらにはナノパーティクルトラッキングによって精製度を確認した。以上の予備検討によってEVsの精製方法が確立され、さらにEVs含有タンパク質あるいはRNA解析にどの程度の培養上清が必要か確認された。来年度以降、申請者らが開発したin vitro運動刺激系を用いて、運動依存的なEVs分泌解析を行なっていく予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
運動因子の探索及びその産生制御機構の概要についての解析はほぼ終了した。一部産生制御機構のメカニズム詳細についてはさらなる解析が必要であるが、代替としてEVs精製方法についての検討は予想以上に進行している。総合的に見ると研究計画に沿った成果が上がりつつあり、研究は順調に推移していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降も研究計画に沿って、免疫学的解析を中心に運動因子の生理作用の解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究計画における運動因子産生シグナル同定の項については予想より早く同定できたものの、さらに詳細なメカニズムについては実験系の不安定さなどの要因により若干の遅れが生じている。本年度は実験系の安定化を優先したため、次年度使用額が生じることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度開始後、研究計画に沿った運動因子産生シグナルについての解析を早急に行う予定としている。大幅な研究計画の遅れとはいえず、開始早々には当初予定通りの研究計画進行が可能になると考えられる。
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Research Products
(4 results)