2017 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋収縮依存的な分泌タンパク質による免疫機能制御機構の解明
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16K08077
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
根建 拓 東洋大学, 生命科学部, 教授 (50375200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 英夫 東洋大学, 生命科学部, 教授 (50416921)
加藤 和則 東洋大学, 理工学部, 教授 (60233780)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マイオカイン / 運動 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、骨格筋収縮依存的に分泌されるタンパク質(運動因子)の網羅的に同定、発現調節機構および生理作用を解明する。特に、運動依存的な免疫機能調節における運動因子の役割を明らかにし、その制御方法を探索することを目的とした。まず申請者らは、収縮可能な培養筋細胞系とサイトカインアレイ法を併用し、複数の新規マイオカインの同定に成功した。特に世界で2例目、3例目となる「運動によって分泌減少するマイオカイン」としてCXCL10およびCCL5を同定した。培養細胞系で得られた結果について動物実験を用いた確認を行った後、その分泌制御メカニズムを明らかにした。さらにCXCL10については運動依存的な減少の生理的意義についても解析を行い、この減少が運動依存的な血管新生促進に関与している可能性を見出した。本結果は、既に2報の論文として公表済である(Ishiuchi et al., Biosci Biotechnol Biochem. (2018) 82(1):97-105.; Ishiuchi et al., Cytokine. (2018) 108:17-23.)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既に運動によって制御される新規マイオカインを複数同定しており、さらにその産生制御機構および生理的役割の一端を解明、複数の学会および学術論文で成果公表も行ったことから、当初の計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
既に同定に成功した新規マイオカインは、免疫系を調節する性質を持つことが分かっている。今後、運動によるこれら新規マイオカインの減少が、実際に免疫系の制御を行うために十分な変化かについて解析を進めていく。以上のアッセイ系確立はすでに終了しているため、本年度中に研究完了するための時間は十分に確保されていると考えらえる。さらに、新規マイオカインの探索も継続して進めていく。
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Causes of Carryover |
同定した新規マイオカインの遺伝子発現を確認する実験に関して、予定よりも安定したデータ取得が可能となったため残額が生じている。一方、本研究計画で新規マイオカインスクリーニングの探索のために用いた実験系が、予想以上に強力であることが分かったため、これをさらに進めていく予定としている。
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Research Products
(2 results)