2018 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋細胞内における筋型変換のライブイメージングシステムの開発
Project/Area Number |
16K08079
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
尾嶋 孝一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 上級研究員 (60415544)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨格筋 / ミオシン / 筋原線維 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では生きたマウスの筋線維/細胞内で異なるタイプ筋型をモニターする系を確立し、筋型決定・変換過程を筋細胞および筋原線維レベルで明らかにすることを目的とする。筋型をモニターするために作出した遺伝子改変マウスは作出当初増えなかったが、ようやくマウスが安定的に得られるようになったので、マウス骨格筋組織を用いた実験をメインとして筋型決定の主要な要因であるミオシン分子の置換メカニズムを筋原線維レベルにて追究した。しかし、生きたマウスの骨格筋組織レベルでいきなり実験することは難しいため、培養骨格筋細胞よりはin vivoの生体骨格筋組織に近い系として、作出したマウス骨格筋から調製した単一筋線維を試料とし、筋原線維内におけるミオシン分子の置換速度を測定した。その結果、筋線維を構成するミオシン分子のタイプにより、ミオシン分子の置換速度が異なることを見出した。また、ミオシン分子の置換速度に影響を与える因子として、細胞内物流システムの基盤となる微小管システムが関与するのか否かを検討するために、微小管重合阻害剤を添加した状態でミオシン分子の置換速度を測定した。しかし、阻害剤の有無に関わらず置換速度は有意な変化は示さなかった。また、ミオシン分子とアクチンを中心とした細いフィラメントの相互作用の有無もミオシン分子の置換速度には影響しなかった。しかし、タンパク質合成阻害剤を添加した条件ではミオシン分子の置換速度は大きく減少したことから、単一筋線維においても筋原線維内のミオシン分子の置換には新規合成されたミオシン分子が使われていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作出したマウスも順調に増えて実験に支障なくなった。しかし、単一筋線維を効率よく調製するまで試行錯誤を繰り返した。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス骨格筋組織から調製した単一筋線維を用いた実験をメインとして、様々な阻害剤を添加した状態で行う実験のn数を増やしてミオシン分子置換メカニズムを探求する。
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Causes of Carryover |
試薬等の購入はキャンペーンを利用し節約に励んだため次年度使用額が生じた。データのn数を増やすために必要な培養用品、阻害剤、抗体等を購入する。
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Research Products
(3 results)