2018 Fiscal Year Annual Research Report
The House Musk Shrew (Suncus murinus): A New Animal Model for Studies of Glucose Metabolism
Project/Area Number |
16K08088
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
佐々木 典康 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (20307979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 剛治 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (10350175)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | スンクス / 糖代謝 / レプチン / アディポネクチン / 脂肪組織 / 肝臓 / リンゴ酸脱水素酵素 / アセチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、肉食性(食虫性)実験小動物であるスンクスを新たな糖代謝解析モデル動物として確立するために、スンクスの糖代謝調節機構を明らかにすることを目的としている。 これまでに代謝に重要なアディポカインであるレプチンの構造を明らかにし、スンクスに特徴的な3アミノ酸残基の挿入を報告した。また、糖代謝に関しては糖新生系の重要酵素であるリンゴ酸脱水素酵素(MDH1)の解析を行ってきた。ネコやスンクスのような肉食動物は血糖の維持をアミノ酸からの糖新生に大きく依存しているため、MDHのアセチル化が肉食動物における糖新生にどのような影響を及ぼすかは興味が持たれる。そこで2018(平成30)年度は、このMDH1の活性制御にアセチル化がどのような影響を及ぼすかについて検討をおこなった。 スンクスおよびネコの組換えMDH1を用いて疑似的にリジン残基のアセチル化を再現し、比活性を比較することでアセチル化の影響を検討した。リジンアセチル化はリジン残基をグルタミンに置換することで、また非アセチル化はアルギニンに置換することで模倣した。ネコMDHのアセチル化モデルとしてはアセチル化標的部位と推定される118番目、121番目、298番目のリジン残基をグルタミンに置換したMDH1(それぞれK118Q、K121Q、K298Q)を、非アセチル化モデルとしてはアルギニンに置換したMDH1(それぞれK118R、K121R、K298R)を大腸菌発現系で作製し、その酵素活性を測定した。 ネコ野生型MDH1と比較すると、非アセチル化モデルであるアルギニン置換MDHは、すべての置換部位において野生型と同様に低い比活性を示した。一方、アセチル化モデルであるグルタミン置換では、K118QおよびK298Qでアセチル化により活性が抑制されたが、K121Qではアセチル化により著しく活性化された。
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Research Products
(1 results)