2016 Fiscal Year Research-status Report
Webリソースを活用した土地利用データベース構築手法の開発
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16K08136
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
岩崎 亘典 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター 環境情報基盤研究領域, 上級研究員 (70354016)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 土地利用 / 旧版地形図 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず土地利用データベース構築の基礎資料となる明治時代後期から大正時代初期に作成された1/5万旧版地形図について、関東地方周辺の99図幅についてスキャンと幾何補正を行いGISデータとした。 次に、深層学習の一種である畳み込みニューラルネットワーク(ConvNet)を用いて土地利用デーベースの作成を試みた。分析対象範囲は1/5万地形図 竜ヶ崎(大正2年測量、大正5年発行)とした。学習データとして旧版地形図の画像を、教師データとして旧版地形図から作成した土地利用図の画像を用いた。学習データの地図タイル作成に当たっては、gdal2tielsを用いPNG形式の画像を生成し、教師データについては、GeoTiff2UTFGridを用いてTIFF形式の画像を生成した。学習にあたっては、ズームレベル15、一辺約1.2kmの画像をデータとして用いた。 作成した土地利用データベースの精度は、タイル毎にみると75~85%と比較的高い精度を示す場合もあるが、50%程度と低い場合もあった。土地利用毎の精度では、水田や市街地のように地図記号が一定の密度で描画されている場合は良好で会ったが、広葉樹のように地図記号の密度が低い場合に悪かった。これは、空白の部分を「畑又は空地」として認識しているためである。また、地名等の注記がある部分は精度が悪く、ノイズのように分類結果となった。旧版地形図全体での精度は、畑又は空き地で正答率が43.9%、広葉樹で23.5%と低く、個別タイル画像と同様の結果になった。一方で全体の地図正答率は73.6%であり改善の余地があるものの、深層学習を用いることにより、土地利用データベース構築の効率化が可能であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、ユーザー参加型による土地利用データベース構築システムを開発し、深層学習を用いた画像分類は補足的に使用するものとしていた。しかし、深層学習に関する技術が急激に高精度化、一般化していることから、本研究においても深層学習を用いたと利用分類を採用することとした。そのため、当初予定していた土地利用データベース構築システムについては開発は行わなかったが、深層学習による土地利用図作成手法についておおよその目処がついたことから、進捗状況はおおむね順調に進捗しているということができる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画では平成29年度についてはポイント形式でのデータ入力に必要なグリッド間隔と土地利用区分を決定し、土地利用デーベースの入力手法を確立することとしていた。しかし前述の通り、土地利用図データベース作成にあたっては深層学習をによる分類を行うこととしたため、今年度以降は深層学習を用いてより精度よく土地利用データベースを作成する手法を検討するものとする。具体的には、前年度に試みたConvNetではなく、敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Network)を用いることにより、土地利用デーベースの高精度化を目指すものとする。
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Causes of Carryover |
当初予定では、人件費として使用する予定であったが、非常勤職員が退職してしまったため、残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
非常勤職員を新規に雇用するか、外部委託により執行する。
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Research Products
(4 results)