2019 Fiscal Year Annual Research Report
The origin of root nodule symbiotic organs in legumes
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16K08149
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
征矢野 敬 基礎生物学研究所, 共生システム研究部門, 准教授 (60532819)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 根粒共生 / 植物微生物相互作用 / ミヤコグサ / 器官形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、昨年度に投稿した論文のreviewの対応を行った。この過程で以下に記述したことが新たに明らかになった。この論文は11月にScience誌に受理された。 (1)ミヤコグサLBD16遺伝子の発現を正に制御する共生に特的転写因子NINはLBD16遺伝子のイントロン領域に結合することが分かっていた。35Sminimalプロモーターと連結したイントロンを含むLBD16-1は自身のプロモーターがなくとも硝酸存在下におけるlbd16-1変異体の根粒発達抑制を抑圧した。一方、イントロンを含まない同様なコンストラクトではこのような効果は得られなかったことから、LBD16-1イントロンがこの遺伝子の発現に対して正に機能することが明らかとなった。 (2)LBD16遺伝子のNIN結合配列の保存性を他のマメ科植物とその近縁であるバラ科などの窒素固定クレードに含まれる植物で調べた。マメ科においては、今回調べたミヤコグサを含むマメ亜科12種全てにおいてNIN結合部位とその周辺配列が保存されていた。また、マメ科の残りの亜科であるジャケツイバラ亜科、ネムノキ亜科4種においてもそれぞれの亜科でNIN結合部位とその周辺配列の保存性が確認された。しかし、マメ目の非マメ科植物であるQuillaja属1種においてはNIN結合配列様の配列が見つかったもののマメ科で見られた結合配列周辺における保存性は見られなかった。フランキアと相互作用して根粒共生を行うアクチノリザル植物を含めた窒素固定クレードに分類されるブナ目5種、バラ目5種、ウリ目1種においてもQuillaja属と同様な結果であった。これらのことから、マメ科で見られたNIN配列は少なくとも現存するマメ科植物の共通先祖で獲得したと考えられた。
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