2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K08167
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
尾野村 治 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (60304961)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 非天然アミノ酸 / 不斉酸化 / セリノール / 二置換アミノ酸 / 不斉非対称化 / 光学分割 |
Outline of Annual Research Achievements |
非天然型アミノ酸及びその誘導体は新規擬似ペプチド医薬品の創製の根幹に関わる重要な化合物であるが、入手は一般に困難である。申請者らはこれまでにジオール類をキラル銅触媒とキレート環形成させればその水酸基が活性化されるという概念を提唱し、ジオール類の一方の水酸基のみを不斉に官能基変換できる反応の開発を行ってきた。この研究の過程で、プロキラルジオールの一方の水酸基のみを不斉モノスルホニル化や不斉酸化することにより多様な4級キラル分子素子に変換できる可能性を見出した。本研究課題では、入手容易なプロキラルジオールから多様な4級キラル分子素子を簡便かつ高効率に合成できる反応の開発を目指し、研究に着手した。鋭意検討した結果、PhBOXと銅塩からなるキラル銅触媒と臭素カチオン源を酸化剤とすることにより、様々な置換基を有するα-置換セリノール誘導体を不斉非対称化し、高効率にα-置換セリンエステルに変換することに成功した。また、その絶対配置をジアステレオマーに誘導化後、X線結晶構造解析することにより明らかにした。一方、上記不斉非対称化の反応条件では、ラセミ体のα,α-二置換アミノアルコールを酸化的光学分割はその効率を表すS値は低く、再現性にも乏しかった。そこで、不斉配位子の構造に着目し、PhBOXの配位角度が小さくなるように構造変換したところ、S値は改善され再現性も取れるようになり、効率的に光学活性四置換アミノ酸を合成できるようになった。これら見出した2つの反応により、多様な置換基を有する非天然アミノ酸の簡便合成法が開発できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多様な置換基を有する重要な非天然アミノ酸を簡便且つ効率的に合成できる、不斉酸化反応による光学分割や不斉非対称化を開発することができたので、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
合成したα-置換セリンエステルを有用なシステイン誘導体へ変換を行う。また、グリーンケミストリーの観点から、現在臭素カチオン源として使用している臭素化合物を触媒量の臭化物塩に置き換えることができるよう、電気化学的手法の開発に取り組む。
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[Presentation] Highly Eficient Oxidation of Cyclohexane to Adipic Acid2016
Author(s)
Osamu Onomura, Yohei Matsumoto, Masami Kuriyama
Organizer
The 12th international Symposium on Organic Reactions and The 6th German-Japanese Symposium on Electrosynthesis
Place of Presentation
京都テルサ(京都府・京都市)
Year and Date
2016-04-22 – 2016-04-24
Int'l Joint Research / Invited