2016 Fiscal Year Research-status Report
熱帯病治療薬を志向するカスケード反応を駆使した効率的、網羅的全合成研究
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16K08174
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
砂塚 敏明 北里大学, 感染制御科学府, 教授 (30226592)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 全合成 / 熱帯病治療薬 / カスケード反応 / アフリカ睡眠病 / 絶対立体構造を決定 / 顧みられない病気 / 特異な環状構造 / マクロラクトン化 |
Outline of Annual Research Achievements |
マングロマイシン (1)の全合成では、向山型ビニロガスアルキル化反応を鍵とした不斉四置換炭素の構築を達成し、さらにアンチアルドール反応により、1の有する全ての炭素鎖と立体化学を有する鎖状中間体を合成した。その後、保護基の掛け替えと還元を経て7工程で飽和エステルとし、塩基性加水分解に続く椎名マクロラクトン化を行うことでマクロラクトンを2工程、収率77%で得た。続いてTIPS基の除去と酸化により得られるエステルに対し、THF溶媒中、加熱還流下でLiHMDSを滴下するDieckmann環化を適応した場合に1の骨格構築が可能であることが分かった。しかし、当初予想していた通り、得られた環化体は空気中で非常に不安定であり、直ちにジヒドロピロンがα-ピロンへと酸化されてしまうことが判明した。このことから得られた環化体を精製せず、3つの水酸基の保護基を一挙に除去したところ、空気中でも安定なジヒドロマングロマイシン Aを導くことができた。種々検討を行ったものの水酸基の位置選択的な酸化が難しかったことから、一時的に1,2-ジオールをボランエステルとして保護し、Albright-Goldman酸化を適応することでジヒドロピロンの酸化を抑え、水酸基のみを酸化することに成功した。そして最後にジヒドロピロン環のエノールのアセチル基を除去することでマングロマイシンA (1)の全合成を達成した。種々機器分析の結果、ケト・エノールの互変異性が存在すると示唆されるジヒドロピロン環周辺の13C NMRの化学シフト値は若干のシフトが観測されたものの、全ての機器データが天然物と一致し、1の初の不斉全合成と絶対立体構造を決定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マングロマイシン (1)の初の不斉全合成の確立と絶対立体構造を決定することができたので、おおむね目的は達成することができた。しかしながら、まだ合成ルートが長いので、もっと簡便な合成を確立する必要がある。また、今後 5,6-ジヒドローαーピロン環の簡便な合成法を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、マングロマイシン類の簡便な全合成を確立し、さらにそれらの全体立体配置の決定を行っていく。また、まだ全合成ルートが長いので、もっと簡便な合成を確立していきたい。さらに、5,6-ジヒドローαーピロン環の簡便な合成法を確立していきたい。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Towards the total synthesis of the anti-trypanosomal macrolide, Actinoallolides; construction of a key linear intermediate2016
Author(s)
Jun Oshita, Yoshihiko Noguchi, Akito Watanabe, Goh Sennari, Shogo Sato, Tomoyasu Hirose, Daiki Oikawa, Yuki Inahashi, Masato Iwatsuki, Aki Ishiyama, Satoshi Omura and Toshiaki Sunazuka
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Journal Title
Tetrahedron Lett.
Volume: 57
Pages: 357-360
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] The Design, Synthesis, and Evaluation of 1,5,7-Trisubstituted-3-Pyridyl-Xanthones for Use as Insecticides Starting from Pyripyropene A2016
Author(s)
Shinichiro Fuse, Keisuke Matsumura, Kohei Johmoto, Hidehiro Uekusa, Hiroshi Tanaka, Tomoyasu Hirose, Toshiaki Sunazuka, Satoshi Omura and Takashi Takahashi
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Journal Title
Chem. Eur. J.
Volume: 22
Pages: 18450-18455
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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