2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of aryl coupling reactions using thionium species and application to the synthesis of condensed heterocyclic skeleton
Project/Area Number |
16K08181
|
Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
樋口 和宏 明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (60360195)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | チオニウム種 / フェノールカップリング / ハークリンA / ラピジレクチンB |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に確立したチオニウム反応剤を用いたフェノールカップリング反応を基に、本年度はハークリンAの合成研究について重点的に取り組んだ。N-Bocチロシンを原料として6工程で鍵反応前駆体へと導いた。この過程において、縮合反応と環化反応に改良を加え、安定した収率かつ再現性良く生成物を得ることに成功した。得られた鍵反応前駆体と予め活性化させたチオニウム反応剤とを反応させたところ、望みの分子内環化反応は進行せず、基質とチオニウム反応剤が結合した生成物が得られた。この結果は、チオニウム反応剤による基質の活性化は上手く進行しているものと考えられた。すなわち、基質のコンフォメーション(立体配座)に柔軟性を持たせなければならないという結論に至った。そこで2つのフェノール部分をつなぐリンカー部位であるジケトピペラジン環の2つのアミドカルボニル基をメチレンへと変換すべく、現在第2の鍵反応前駆体の合成に取り組んでいる。 またラピジレクチンBの合成については、適切な位置にアミノ基とカルボキシ基を有する3置換アルケンをモデル基質に用いて、チオニウム反応剤による連続的な環化反応を検討したが、目的とする生成物は得られず、失敗に終わった。代わりの方法として、パラジウム触媒と超原子価ヨウ素試薬を組み合わせた反応条件を検討したところ、目的の環化生成物が得られることを発見した。現在この成果を基に、本命の基質に近づけたモデル基質の合成に取り組んでいる。
|