2018 Fiscal Year Annual Research Report
Refined structural analysis and mechanical property of drug nano-formulation by AFM in aqueous meida
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16K08190
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森部 久仁一 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (50266350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 顕二郎 千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (40451760)
植田 圭祐 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (40755972)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 原子間力顕微鏡(AFM / 構造評価 / ポリマー / NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
塩基性ポリマーであるEudragit E (EUD-E)は薬物可溶化作用及び結晶化抑制作用を有しており、難水溶性薬物の溶解性を顕著に改善する製剤添加剤として注目されている。本年度は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて異なるpH条件下及びsaccharin (SAC)存在下におけるEUD-Eの液中構造を評価し、EUD-Eによる薬物可溶化能との関係性について考察した。 EUD-Eを20 mM酢酸に溶解させ、pH 4.5, 5.0及び6.5のEUD-E溶液 (3.0 mg/mL)を調製した。また、SACを添加してEUD-E/SAC溶液 (3.0/1.5 mg/mL)を調製した。 EUD-E溶液のAFM測定の結果、EUD-Eの液中構造はpHの上昇に伴いワーム状から扁平な球状に変化した。EUD-E/SAC溶液のAFM測定の結果、pH 5.0及びpH 6.5で観察された扁平な球状構造物がワーム状に変化するのが認められ、SACとの相互作用によるEUD-Eの液中構造の変化が示唆された。次に、naringenin (NAR)を難水溶性のモデル薬物として用い、EUD-EによるNAR可溶化能を評価した。EUD-E溶液におけるNAR可溶化能は、pHの上昇に伴い向上した。EUD-E/SAC溶液において、EUD-E溶液で認められたNAR可溶化作用のpH依存性がSACの添加によって減少した。 以上の結果より、EUD-Eの薬物可溶化能は水溶液中のEUD-Eの構造に依存して変化し、EUD-Eが液中において球状の構造をとった際、ワーム状の構造と比較してより高い薬物可溶化能を示すことが示された。 3年間の研究により、各種ナノ粒子製剤をAFMを用いて観察することで、ナノ構造を詳細に明らかにすることができた。さらにNMRやTEMの結果とあわせてナノ粒子の物性を明らかにすることができた。
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Research Products
(3 results)