Outline of Annual Research Achievements |
YUHのE16, N29, T40, E43, A46, I61, S104, S110, S118, S123, N140, A156, N174, S186, G192, T197, A212, E220, N234にシステイン残基を導入した変異体を作成した上で、cysteaminyl-EDTA修飾反応を行った。このうち、ユビキチン結合部位に隣接した部位であるE16, T40, E43, A156, E220, N234にZn-EDTA修飾を施したYUHに関して、ユビキチンとの親和性が野生型と同程度であることをITC実験により確認した。T40をZn-EDTA修飾したYUHに対して、ユビキチンアルデヒドを過剰量添加して、HPLC解析を行った結果、99%以上のYUHがUbal-YUH複合体を形成したことから、YUHのC90はEDTA修飾されておらず、T40だけがEDTA修飾されていることが示された。 次に、各種金属をキレートしたEDTAでT40を修飾したYUHに対して、過剰量の均一2H,15N標識ユビキチンを添加した試料を調製して、常磁性縦緩和増大および横緩和増大を測定した。その結果、Ubal-YUH複合体の結晶構造においてT40と近接している部位に加えて、T40から離れているユビキチンC末端に顕著な緩和増大が観測された。 さらに常磁性緩和増大を詳細に解析するために、各種常磁性金属の電子スピン緩和時間τsを調べた。Ni2+, VO2+, Fe3+をキレートしたEDTAプローブを付加したYUHと[ul-2H,15N]Ubalの複合体における、縦緩和速度増大および横緩和速度増大を観測した上で、先行報告に従って解析を行った。その結果、EDTAにキレートされた状態におけるNi2+, VO2+, Fe3+のτsが、それぞれ0.11, 16.5, 2.1 nsと算出された。
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