2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of methods for studying conformational dynamics of ubiquitin-ubiquitin binding protein complex
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16K08191
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 卓見 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (20451859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 一夫 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (70196476) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | NMR / 蛋白質ー蛋白質相互作用 / 動的構造平衡 / ユビキチン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続き、残り7種類の残基にcysteaminyl-EDTAを付加したYUHと均一2H,15N標識ユビキチンを用いて、常磁性縦緩和増大および横緩和増大を測定した。 次に、これまでに観測した常磁性緩和増大の結果を理論式に対してフィッティングすることで、複合体Bにおける、YUHに導入した常磁性プローブとユビキチン中の各アミド水素原子との距離を135組算出した。得られた距離情報を再現する複合体Bの構造をXPLOR-NIHで探索した結果、単一の構造では常磁性緩和増大の実験値を再現することができなかった。そこで、アンサンブルリファインメントを行った結果、10種類以上の構造アンサンブルで、実験値を十分再現することが可能であることが示された。これらの構造アンサンブルでは、いずれもユビキチンの構造形成領域は同様の様式でYUHと結合している一方、C末端が反応部位に入っていなかった。また、YUHのシグナルを観測するNMR解析を行った結果、YUHのN末端領域に位置する残基がユビキチンアルデヒド-YUH複合体では先鋭なNMRシグナルを与えるのに対し、ユビキチン-YUH複合体ではYUHのN末端領域のNMRシグナルが顕著に広幅化した。この結果から、複合体Bにおいて、YUHのN末端が多様な構造を交換していることが示唆された。以上より、ユビキチンとYUHが、ユビキチンのC末端とYUHのN末端が多様な構造を取る複合体Bを一過的に形成することで、反応を進行できる最終的な複合体Aを効率よく形成して、望ましい基質特異性と高い反応効率を達成することが可能となると考えた。
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