2017 Fiscal Year Research-status Report
DNAアプタマーを 分子認識素子とする次世代医薬の革新的臨床分析法の開発
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16K08200
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
轟木 堅一郎 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (70341451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 秀樹 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (00419665)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 抗体医薬 / アプタマー / バイオアナリシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は抗体医薬bevacizumabに対する我々が開発した抗イディオタイプDNAアプタマーを利用した多検体同時分析法Enzyme Linked Aptamer Assay(ELAA)法を開発した。本法はアプタマーを固定化した96穴プレートに血漿試料を添加して反応させた後,protein A-HRP複合体の結合に伴うHRP活性をTMBの吸光度変化としてマイクロプレートプレートリーダーで定量するものである。本法により,血漿中bevacizumabを0.01-5 μg/mLの範囲で良好な定量性,精度で多検体同時迅速分析可能であった。今回開発した分析法は,血漿中抗体医薬を測定するのには十分な感度と優れた定量性を有し,また安価かつ汎用性の高い分析法であることから,バイオシミラー開発や治療効果判定など様々な分野での利用が期待できる。また本年度は,bevacizumabとアプタマーの複合体の構造解明を目的とし,bevacizumabのFabフラグメントとアプタマーの共結晶化を実施した。各種結晶化条件の最適化により良質な共結晶が複数得られていることから,今後PhotonFactoryでのX線結晶構造解析に使用する。得られるX線結晶構造情報は,他のアプタマー導出に向けて有用な情報となることが期待できる。さらに本年度は複数の市販抗体医薬および抗体薬物複合体に対する抗イディオタイプDNAアプタマーの探索も実施し,複数の薬物に対する候補DNA配列の取得にも成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定通りに進行している。他の市販抗体医薬および抗体薬物複合体を特異的に認識するアプタマーについても候補配列を得ることができており,今後これらを用いた複数のバイオアナリシス法構築が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度および今年度に開発できたバイオアナリシス法を他の市販抗体医薬分析へと適用拡大するべく検討を進める。また,前年度構築したアプタマーアフィニティー-高温逆相LC分析法については,検出を蛍光検出から質量分析計へと変更することで,より製薬・臨床現場に近い分析法へと昇華させる。ELAA法については,化学発光検出による高感度化,DNAアプタマーの化学安定性に基づいた計測プレートの再使用化について評価する。 また,開発した抗イディオタイプDNAアプタマーを分子認識素子とすることで,製造現場におけるprocess analytical technology(PAT)用途に適した抗体医薬生成量の簡易なリアルタイム計測法についてもその実現可能性について評価・検討する。
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Causes of Carryover |
(理由)当初の購入予定であった試薬の納期が変更になり、年度内に購入できなかったため。 (使用計画)前年度に購入できなかった試薬の購入に充てる。
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Research Products
(13 results)