2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K08205
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
川口 里恵 (伊藤里恵) 星薬科大学, 薬学部, 講師 (90398892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 貢一 星薬科大学, 薬学部, 教授 (40386347)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 食品衛生 / 分析化学 / カビ毒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2つの研究を実施した。1つ目は固形試料としてチーズを選択し、チーズ中のカビ毒(シクロピアゾン酸)の分析法を構築し実試料分析に適用した。2つ目は、デオキシニバレノール(DON)とその配糖体(DON3G)の同時分析法の構築である。 まずは、固相分散抽出-液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)法を用いたチーズ中のシクロピアゾン酸(CPA)分析法を構築し、実試料中の分析を試みた。前処理として、80% (v/v) エタノール水溶液でチーズをホモジナイズし、酢酸エチルによる液液抽出後、Oasis MCXを用いた固相分散抽出(SPDE)を行った。その後、前処理した試料をLC-MS/MS測定に供した。 構築したLC-MS/MS法のLODはチーズ中で0.2 ng/gであり、高感度な分析法が構築できた。本法で添加回収試験を行った結果、低濃度添加試料(10 ng/g)および高濃度添加試料(50 ng/g)の回収率は、それぞれ70.4%および81.2%であった。また、併行精度および室内精度は、低濃度添加試料で10.1%および10.1%、高濃度添加試料で8.3%および15.0%であり、回収率とともに満足いくものであった。本法を実際の市販チーズ試料に適用したところ、外国産のカマンベールチーズ1検体からCPA 8.9 ng/gが検出された。以上のことから、本法はチーズ試料中のCPA分析法として十分適用可能であった。 次に、LC-MS/MSを用いたDONおよびDON3Gの同時分析法を構築した。こちらは現在実施中であるが、ビール中のDONおよびDON3GをHLBカートリッジを用いた固相抽出法で前処理を行いLC-MS/MS分析に供したところ、70%以上の回収率が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
測定装置トラブルや試薬の欠品により、当初やや遅れていたが、試薬も入手できたため、配糖体分析に着手しており、すでにデオキシニバレノール(DON)およびDON3G(デオキシニバレノール-3-グルコシド)の同時分析法の構築が完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、分析法の精度管理を実施しているところであり、それが終わり次第、実試料分析に着手する。また、加水分解によって配糖体が外れて、もとのカビ毒に戻るのかを検証する予定である。またデオキシニバレノール(DON)以外のカビ毒でも配糖する可能性があるカビ毒の分析法を構築し、配糖化したカビ毒が生成されるか確認する。
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Research Products
(3 results)