2016 Fiscal Year Research-status Report
2段階クリック反応を利用した新規O-GlcNAc化プロテオーム解析法の開発と応用
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16K08219
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
津元 裕樹 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00409385)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | O-GlcNAc / プロテオミクス / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、酵素反応と2段階クリック反応を利用する特異的かつ効率的な新規O-GlcNAc化ペプチド濃縮法を開発し、それを基盤とする高感度O-GlcNAc化プロテオーム解析法の開発を目的とする。また、開発した解析法を糖尿病モデル動物に応用し、糖尿病におけるO-GlcNAc化修飾の役割を明らかにすることも目的とする。 平成28年度は「2段階クリック反応を利用した新規O-GlcNAc 化ペプチド濃縮法の開発」を行った。UDP-GalNAzとGalT1変異体を用いる酵素反応によりO-GlcNAc 化ペプチドのO-GlcNAc 化部位をアジド化後、アジドとチオール-アルキンとのクリック反応(1段階目)を行った。チオール-アルキンがジスルフィド結合を形成して末端にアルキンを有すること利用し、アジドビーズとのクリック反応(2段階目)によりアジドビーズ上への固定化、洗浄、還元剤による溶出(ジスルフィド結合の切断)を行い、溶出画分の質量分析を行った。その結果、目的のチオール-アルキン誘導体化O-GlcNAc 化ペプチドが検出されたことから、2段階クリック反応によりO-GlcNAc 化ペプチドを濃縮できることがわかった。また、別法としてチオール-アルキンとアジドビーズとのクリック反応(1段階目)でアルキンビーズとした後、アジド化されたO-GlcNAc 化ペプチドとのクリック反応(2段階目)によりビーズ上への固定化を行う方法についても検討を行った。しかしながらアルキンビーズの生成を確認できなかったため引き続き反応条件などを検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデルペプチドを用い、2段階クリック反応によるO-GlcNAc 化ペプチドの濃縮が可能であることを実証できた。しかしながら、もう一つの研究項目である「新規チオール-アルキンの設計及び合成」は達成できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き「2段階クリック反応を利用した新規O-GlcNAc 化ペプチド濃縮法の開発」についても検討を行い、使用するビーズも含めた濃縮条件の最適化を行う。また、予定通り、HeLa 細胞を用い、開発した濃縮法を用いるO-GlcNAc 化プロテオーム解析法の有用性について検討する。
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Causes of Carryover |
予定していた旅費が支出されなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として使用する。
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