2017 Fiscal Year Research-status Report
2段階クリック反応を利用した新規O-GlcNAc化プロテオーム解析法の開発と応用
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16K08219
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
津元 裕樹 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00409385)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | O-GlcNAc / プロテオミクス / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、酵素反応と2段階クリック反応を利用する特異的かつ効率的な新規O-GlcNAc化ペプチド濃縮法を開発し、それを基盤とする高感度O-GlcNAc化プロテオーム解析法の開発を目的とする。また、開発した解析法を糖尿病モデル動物に応用し、糖尿病におけるO-GlcNAc化修飾の役割を明らかにすることも目的とする。 平成29年度は、酵素反応とクリック反応を利用するO-GlcNAc化ペプチド濃縮法(従来法)が安定同位体標識試薬(iTRAQ試薬)およびβ脱離/マイケル付加反応と併用でき、O-GlcNAc化タンパク質やその修飾部位の同定および相対的定量解析に有用であることをO-GlcNAc化モデルペプチド/タンパク質で実証し、論文発表を行った。これにより、糖尿病モデル動物などで変動するO-GlcNAc化タンパク質の同定が期待される。 そこで、当初は平成30年度に実施を計画していた「糖尿病モデル動物への応用」について前倒しで実施した。2型糖尿病モデル動物であるGoto-Kakizaki(GK)ラットと正常Wistar ラットの腎臓と脳から抽出したタンパク質をサンプルとし、nanoLC-MALDI-TOF/TOFシステムを用いたO-GlcNAc化プロテオーム解析を行った。しかしながら、これまでのところWistarラットと比較してGKラットで変動するO-GlcNAc化タンパク質、さらにはその修飾部位の同定には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度の研究項目「培養細胞を用いた有用性の検討」により、開発する分析手法が網羅的O-GlcNAc化プロテオーム解析に有用であることを明らかにする、という目標を達成できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度も引き続き「2段階クリック反応を利用した新規O-GlcNAc 化ペプチド濃縮法の開発」についても検討を行い、「培養細胞を用いた有用性の検討」と「糖尿病モデル動物への応用」を行う。また、高感度分析を達成するため、今後は新規導入されたnanoLC-ESI-MS/MSシステムを活用する。
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Causes of Carryover |
予定していた旅費が支出されなかったため。次年度の物品費として使用する。
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Research Products
(1 results)