2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism for regulatory B cell differentiation by nephronectin and establishment of a novel therapeutic strategy for autoimmune diseases
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16K08221
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
今 重之 福山大学, 薬学部, 教授 (90344499)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ネフロネクチン / 自己免疫疾患 / 制御性B細胞 / カルシウム結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究室では、細胞外基質ネフロネクチン(Npnt)が自己免疫疾患を増悪化させる機能を有することを見出している。その後の研究から、Npntによる自己免疫疾患増悪化機構はNpntのカルシウム結合能を介した制御性B細胞(Breg分化)抑制によると予想した。そこで、Npnt内のカルシウム結合領域をカルシウムオーバーレイアッセイを用いて同定し、その領域に対する抗体が自己免疫疾患抑制能を有することを明らかにすることを目的に実験を進めた。NpntはEGF様リピート、Link、MAMドメインの3つの領域から構成されることから、まず、それぞれのドメインのみからなる変異体を作製し、カルシウム結合能を検討した。その結果、細胞接着配列RGDモチーフを有するLink領域内にカルシウム結合領域が存在することが分かった。アミノ酸配列解析から、EGF領域にカルシウム結合領域があることが予想されていたが、本結果はその予想と異なる結果であった。Link領域をさらに細かくした変異体を作製し、カルシウム結合能を検討した結果、RGDモチーフのN末側にカルシウム結合領域が存在することを明らかにした。そこで、その領域のペプチドを合成し、キャリア導入した抗原をウサギに免疫することで、Npntのカルシウム結合領域に対する抗体を作製した。当該抗体の自己免疫疾患抑制効果を多発性硬化症マウスモデルEAEを用いて検討した結果、残念ならが弱い増悪化抑制効果しか示さず、Npntカルシウム結合能はEAEには大きく関与しないことが分かった。 NpntのBreg抑制機構は、新たなメカニズムが関与すると考え、Npnt結合分子の同定を質量分析にて試み、自己免疫疾患増悪化の関与が示されている分子を見出すことができた。現在、その分子によるBreg抑制効果の検討を進めている。
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