2017 Fiscal Year Research-status Report
生体内マスト細胞特異的RNA網羅解析によるアレルギー疾患の機構解明・創薬標的探索
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16K08240
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
土屋 創健 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 講師 (80423002)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シングルセル / マスト細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な組織の種々のアレルギーにおいて、マスト細胞が極めて重要な役割を果たすことが明らかとなっているものの、in vivo(生体内)におけるマスト細胞の性質、および、特性に関しては、現時点でもほとんどあきらかになっておらず、アレルギー疾患やマスト細胞における研究、そして、それらが関わる現象のメカニズムの解明において、おおきな障壁となり続けている。近年、皮膚アレルギーには様々な要因や発症メカニズムが存在する可能性が示唆されており、その発症頻度も増加傾向を示していることから、皮膚組織におけるin vivoマスト細胞の性質・特性の同定は、とりわけ急務の研究課題となっている。本研究課題は、皮膚組織においてアレルギー症状に関与するマスト細胞のin vivoの個々のレベルにおける性質および特性を、シングルセルトランスクリプトーム解析を用いて明らかにすることを目的としており、皮膚組織におけるアレルギーの根本的な治療法および予防法の開発に大きく資することが期待される。昨年は3年計画の本研究課題の2年目に該当し、一昨年の本研究課題の開始直後に被災し、大きく影響を受けた熊本地震による遅れを取り戻すべく、シングルセルRNA増幅法の構築・改良に取り組み、マスト細胞シングルセル量から網羅的な発現比較解析に十分な量のRNA増幅法の構築を行い、さらに増幅したマスト細胞シングルセル量由来の産物が、内在するRNA量差を増幅後も有していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一昨年の本研究課題開始直後の熊本地震の被災によるダメージ・遅れを受けているもの、徐々にその遅れを取り戻している。
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Strategy for Future Research Activity |
皮膚組織におけるマスト細胞のシングルセルトランスクリプトーム解析データから、シングルセル間の揺らぎや特性を抽出し、新規亜集団の同定・機能予測を試みる。
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Causes of Carryover |
理由:一昨年の本研究課題開始直後の熊本地震の被災によるダメージ・遅れによる分で、次年度使用額が生じた。 使用計画:徐々にその遅れを取り戻しており、未使用額は次年度予算と合わせて次年度における研究に使用する。
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